造血幹細胞の分化増殖の分子生物学的解析

1989 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 01308031
• 研究機関: 自治医科大学
• 研究代表者: 三浦 恭定 自治医科大学, 医学部 (60048965)
• 研究分担者: 北村 幸彦 大阪大学, 医学部, 教授 (70028520) ; 穂積 本男 埼玉がんセンター研究所, 副所長 (50113478) ; 溝口 秀昭 東京女子医大, 医学部, 教授 (70049021) ; 井川 洋二 理化学研究所, ライフサイエンス筑波研究センター, 副所長 (40085618) ; 高久 史麿 東京大学, 医学部, 教授 (40048955)
• キーワード: 造血幹細胞 / 造血因子 / 白血病細胞 / 造血支持細胞 / 重点領域研究

研究概要

本研究は平成2年度発足の重点領域研究「造血幹細胞の分化増殖の分子生物学的解析」の準備を目的とし、下記の4つのテ-マを柱とする。
1)単離濃縮した造血幹細胞の生物学、生化学及び分子生物学的特性の検討
2)組替え純化造血因子の構造と作用の分子生物学的検討
3)正常造血細胞、造血因子と造血器腫瘍細胞の比較と相互関係
4)造血細胞支持細胞の役割とその物質的基盤
この目的の為に下記のことを行った。
1)重点領域研究施行の方針を討議する準備会議を平成元年9月27日に開き研究開始に至る諸問題につき討論した。
2)このほか重点領域研究審査会について必要な調査打合せや、研究進行の内容についての打合せを数回行った。
3)平成2年2月26日文部省重点領域研究審査会が開かれ一般公募研究費の配分を決定した。
4)研究施行の準備の為の実験を行った。これには下記のものが含まれる。
(1)造血幹細胞の濃縮純化についての条件の設定
(2)造血幹細胞に似た株細胞表面の造血因子に対するレセプタ-の分離、解析と分子クロ-ニングの準備
(3)白血病株細胞の亜株を作ることによる細胞分化実験の準備
(4)造血支持機能を有する株細胞による細胞表面物質の単離

研究成果

• [文献書誌] Suda,T.,Miura,Y.,et al.: "A stimulatory effect of recombinant murine interleukin7(ILー7)on B cell colony formation and an inhibitory effect of ILー1." Blood. 74. 1936-1941 (1989)
• [文献書誌] Kurihara,N.,Miura,Y.,et al.: "Generation of osteoclasts from isolated hematopoietic progenitor cells." Blood. 74. 1295-1302 (1989)
• [文献書誌] Teramura,M.,Mizoguchi,H.,et al.: "Effect of recombinant hemopoietic growth factors on human megakaryocyte colony formation in serumーfree cultures." Exp.Hematol.17. 1011-1016 (1989)
• [文献書誌] Hino,M.,Takaku,F.,et al.: "Characterization of cellular receptors for erythroid differentiation factor on murine erythroleukemia cells." J.Biol.Chem.264. 10309-10314 (1989)
• [文献書誌] OkabeーKado,J.,Hozumi,M.,et al.: "Purification of a factor inhibiting differentiation from conditioned medium of nondifferentiating mouse myeloid leukemia cells." J.Biol.Chem.263. 10994-10999 (1989)
• [文献書誌] Kitamura,y.: "Heterogeneity of mast cells and phenotypic change between subpopulations." Ann.Rev.Immunol.7. 59-76 (1989)