研究課題/領域番号 |
01400001
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤伊 正 筑波大学, 生物科学系, 教授 (20011611)
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研究分担者 |
原 諭吉 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (00092429)
佐藤 忍 筑波大学, 生物科学系, 講師 (70196236)
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キーワード | ラフィド藻 / Heterosigma akashiwo / Na^<++>-activated ATPase / PCR(ポリメラ-ゼ・チェィン・リアクション) / cDNA |
研究概要 |
海産ラフィド藻Heterosigma akashiwo細胞のNa^+-activated ATPaseのcDNAをクロ-ニングするために、我々は、ポリメラ-ゼ・チェイン・リアクション法(PCR)を用いた。報告されている真核生物のイオン輸送性ATPaseの保存されているアミノ酸配列を比較検討し、2ケ所(それぞれ7個のアミノ酸)を決定した。これらのアミノ酸配列を核酸配列に変換し、それぞれ20merのオリゴヌクレオチドを合成した。この2種のオリゴヌクレオチドをプライマ-とし、アカシオcDNAを鋳型に用いPCR法による増幅を行った。結果として0.75KbpのDNAが合成された。このDNAが、アカシオ細胞で発現していることを確認するため、この0.75KbpのDNAをプロ-ブにし、ノ-ザンハイブリダイゼ-ションを行った。約3.8と1.7KbのRNAが反応した。これは、アカシオ細胞が2種のATPaseを持っているという活性の結果と一致し、分子量の違いにより3.8KbのRNAが140KDaのNa^+-activated ATPaseであることが示唆された。合成した0.75KbpのDNAをpUC118を用いてクロ-ン化し、3.8KbのRNAにのみ反応するクロ-ンを3個得た。それらの塩基配列は、完全に一致した。さらに他種のATPaseと相同性を比較したところ、原生動物L__ー・donovaniのH^++ATPaseとアミノ酸配列で約40%の相同性を示し、アカシオ細胞が原生動物と近縁であることが示唆された。今後、このNa^+-activated ATPaseのfull length cDNAを単離することを目的として、0.75KbpのDNAをプロ-ブとして用い再スクリ-ンニングを行う予定である。
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