研究課題/領域番号 |
01400002
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
浅野 陽 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (00015215)
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研究分担者 |
豊福 誠 東京芸術大学, 非常勤講師
佐伯 守美 東京芸術大学, 非常勤講師
島田 文雄 東京芸術大学, 助手 (90187435)
三浦 小平二 東京芸術大学, 助教授 (60190584)
大谷 茂盛 東北大学, 総長 (00005183)
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キーワード | 登り窯 / 焼成 / 薪窯 / ゼ-ゲルコ-ン / 酸化 / 還元 / 燃焼ガス / サ-モビジョン |
研究概要 |
分担者の所有する灯油炉において登り窯の模擬実験を行った。登り窯においては3昼夜に亘り薪により燃焼させるが、灯油炉においては、昇温速度が高く約11時間で1000℃まで酸化雰囲気で昇温し、約5時間の還元雰囲気で徐々に1200℃まで加熱後、放冷させる操作により他の燃料(プロパン・電気)に比べて薪窯焼成による釉調に近い焼成が可能であることが分かった。また別実験により奥行き2m×高さ2m×幅1.5mの同炉内において購入した記録計により36箇所のガス温度の時間的、空間的分布および排ガスの酸素濃度の時間的変化を測定した。この中型炉においても、全測定範囲で最大と最小の温度差が常に140℃位あることが明白となった。また別実験において炉内の各所に銅系統の釉を塗布した試料をゼ-ゲルコ-ン(SK9番1280℃)と共に挿入し、焼成実験を行った。その結果、コ-ンの溶融と倒壊状況から上記の温度差は立証されたものの釉の色具合、釉状、釉発色等では各所において還元状態の時間的差、強弱の差、温度差に影響され試料に様々な変化を確認した。 本年度購入したAGEMサ-モビジョンを使用し、約10cmの湯呑2個の同炉での焼成実験の結果、850℃、酸化雰囲気において、同一湯呑の表面温度差が約100℃存在し、湯呑の上方で燃焼ガス流れに接する部位ほど高温に達していることが3次元解析から分かった。 沖縄および瀬戸、備前地方の登り窯の実地調査をし、各地方の自然環境による窯構造および焼成方法の違い、および作品(試験体)におよぼす影響、素地の焼締り具合、釉調の変化等など各産地によって違いがあることを把握した。
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