研究課題/領域番号 |
01400002
|
研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
三浦 小平二 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (60190584)
|
研究分担者 |
望月 集 東京芸術大学, 美術学部, 非常勤講師
佐伯 守美 東京芸術大学, 美術学部, 非常勤講師
豊福 誠 東京芸術大学, 美術学部, 助手 (30227665)
島田 文雄 東京芸術大学, 美術学部, 講師 (90187435)
三浦 隆利 東北大学, 工学部, 教授 (60111259)
|
キーワード | 登り窯 / 焼成 / 薪窯 / ゼ-ゲルコ-ン / 酸化 / 還元 / 燃焼ガス / サ-モビジョン |
研究概要 |
伝統的登り窯における燃焼と製品の仕上がりの関係を科学的に検討するために、登り窯による燃焼実験を実施した。窯内燃焼温度、ガス組成及び、窯内に配置された試験体の表面温度分布を,燃焼中連続的に測定。燃料は赤松薪を使用し、伝統的窯焚き法に依った。登り窯の構造は4室の燃焼室の構成となっており、それぞれの室に4枚の棚板を配列、高さ方向に4段重ねた。試験体は各棚に5本、1室当り80本、合計320本を配置した。窯内温度分布測定は熱電対を窯天井から24本、左右両壁から12本挿入。比較の為ゼ-ゲルコ-ン(SK7〜10(1230〜1300℃))を100箇所に配置。窯内燃焼ガス濃度(CO、CO_2およびCO)分布の測定は、第1及び第4室にプロ-ブを挿入。尚、試験体の焼成過程観察に、サ-モカメラを第2室に設置。焼成は第1室から約1280℃まで第4室まで順次燃焼させながら焚き上げ、焼成時間は55時間を要した。窯内温度分布は時間的に大きく変動する、即ち薪投入時には空気流入口が薪により閉塞されCO濃度の急上昇及びO_2濃度の下降により窯内が還元雰囲気となるのに対し、燠き(おき)の状態に於いては燃焼空気通風量の増大により、CO濃度の低下及びO_2濃度の上昇により酸化雰囲気となる。釉薬を塗布し釉状を分析した結果、試験体の仕上がり具合から、第1室では還元性雰囲気で第2、3室において中性炎、第4室では酸化性雰囲気で焼成されたことが示された。サ-モカメラにより焼成過程がリアルタイムで観察、記録された。この結果については現在解析中である。伝統的窯焚き燃焼法が燃料投入の周期に大きく依存していることが、窯内温度、各種ガス濃度およびサ-モカメラによる測定により明らかとなった。
|