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1989 年度 実績報告書

新しい微小中空浮遊型薬物放出制御システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 01400005
研究機関岐阜薬科大学

研究代表者

川島 嘉明  岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (30082978)

研究分担者 丹羽 敏幸  岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (30198543)
日野 知証  岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (90208778)
竹内 洋文  岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (50171616)
キーワード晶析 / 造粒 / 微小中空粒子 / 浮遊性 / 空隙率 / 比重 / せん断付着力 / 流動性
研究概要

モデル薬物として、イブプロフェン、トラニラストを使用した。薬物とアクリル酸系ポリマ-(Eudragit S100)をエタノ-ルージクロルメタン混合溶液(良溶媒)に溶解し、これを非溶媒(水)中に添加すると一時的にエマルション滴が形成される。液滴表面には、薬物と高分子の共沈物からなる外殻が形成され中空構造を持った微小粒子が得られることが判った。これを乾燥して浮遊性を有する目的の粒子を得た。
調製時の温度によって外殻中に取り込まれる薬物の結晶形が異なることが判った。そこでトラニラストについて、晶析溶媒を種々変化させて、多形の生成について検討した。その結果新規1水和物I、II、III型が存在することが判明した。これらの水和物の脱水挙動の相違を明らかにし、多形変換に関する相図を作製した。これらの知見は投稿中である。
乾燥時の温度により、中空微粒子の浮遊能が著しく異なることが判った。これは、中空微粒子の内部空隙率と、分散媒に対する濡れが乾燥速度により異なるためである。粒子径が大きな物程比重が小さく浮遊性に優れた。中空微粒子の外殻中に取り込まれた薬物の溶出過程は、外殻の厚みにより、0次放出やマトリックス型になることが判った。
微小中空浮遊型デバイスの機械的強度の測定に関連し、造粒結晶の圧縮成形性について評価した。造粒結晶を弱い圧力で圧縮して得た成形体の破壊包絡線から得たせん断付着力は、原末結晶よりも小さく、流動性に優れることが判った。然しながら、高い圧力で圧縮した場合には、造粒結晶の方が原末結晶よりも強いせん断付着力を示すことが判った。このことは、高圧密下では造粒物が破壊され新しい表面を形成し、粒子間の接触点数の増加をもたらし強い成形体を形成することを示している。中空体の圧縮挙動を明らかにする基礎デ-タを得ることができた。これらの知見は粉体工学会誌に公表した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 川島嘉明,竹内洋文,丹羽敏幸,日野知証他: "新しい直接打錠用造粒結晶の調製法(エマルションー溶媒ー拡散法)の開発と造粒結晶の圧縮成形性の評価" 粉体工学会誌. 26. 659-665 (1989)

  • [文献書誌] Y.KAWASHIMA: "Spherical Crystallization as a Novel Particle Design Technique for Oral Drug Delivery System" The Chinese Pharmaceutical Journal. 41. 163-172 (1989)

  • [文献書誌] Y.KAWASHIMA,T.NIWA,H.TAKEUCHI,T.HINO et al: "Particle Designs and Crystal Modifications of Tranilast(Orally Antiallergic Agent)to Improve Availability in vitro by a Novel Spherical Crystallization Technique" J.Pharm.Sci.

  • [文献書誌] S.Y.Lin,O.Y.P.Hu,Y.Matsuda,Y.Kawashima(ed.): "Advances in Phamaceutics and Pharmaceutical Technology" Jeou Chou Book Co.Ltd, 227 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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