研究課題/領域番号 |
01400007
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研究機関 | 国際大学 |
研究代表者 |
松本 耿郎 国際大学, 大学院国際関係学研究科, 教授 (00159154)
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研究分担者 |
岩井 秀子 国際大学, 大学院国際関係学研究科, 助手 (60203345)
小杉 泰 国際大学, 大学院国際関係学研究科, 助教授 (50170254)
黒田 壽郎 国際大学, 大学院国際関係学研究科, 教授 (90051309)
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キーワード | 12イマ-ム・シ-ア派 / ウィラ-ヤ / ウィラ-セテ・ファキ-フ / イスラ-ム哲学 / イスラ-ム法学 / イマ-マ / ヒラ-ファ / ヒクマ |
研究概要 |
今年度は、二年間にわたって蒐集した文献を十分に活用しながら、現代12イマ-ム・シ-ア派の諸側面を考察した。前年度はウィラ-ヤに焦点をあて、イスラ-ム共同体の意識形成のあり方を中心に考察を行なったが、今年度はそのような意識が、政治および法体系のなかにおいて具体的にどのようにあらわれているかという点を中心に考察をすすめた。なかでも、その研究の一環として訳出されたアラビア語文献およびペルシャ語文献は、現代12イマ-ム・シ-ア派の思想潮流を知るうえで、たいへん重要かつ不可欠のものである。『イスラ-ム法原論』は、いまだ明らかにされていないイスラ-ム法体系を解明する重要な手懸りとなりまた『レバノン・シ-ア派のイスラ-ム革命思想』は、湾岸戦争後の中東地域の再編成にも大きな影響力があると考えられるシ-ア派の革命思想を扱っている。同様に『12イマ-ム・シ-ア派の権力理論』はイスラ-ム政府における権力のあり方を明らかにしている。今年度は思想面に加えて12イマ-ム・シ-ア派の制度的側面も考察し、その特殊性および普遍的側面を検討した。以上のような基礎的研究を重ねたのちに、2月14日には研究の総括も兼ね研究会を開催し、千葉真(国際基督教大学)氏を迎え、西欧の政治思想と比較しながら、12イマ-ム・シ-ア派における政治思想と権力構造の特殊性について討議を行なった。 本研究のようなイスラ-ムに関する基礎研究の重要性については、度々主張してきたが、研究期間中に勃発した湾岸戦争も示しているように今後の国際秩序の再編成の基本的方向性を見定めるうえで不可欠な研究であったと考えている。また、今年度も重要な文献を蒐集することができ、12イマ-ム・シ-ア派関連図書を一層充実させることができた。
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