研究課題/領域番号 |
01410003
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
辻 惟雄 東京大学, 文学部・美術史, 教授 (40004056)
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研究分担者 |
小川 裕充 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (50126017)
河野 元昭 東京大学, 文学部. 美術史, 助教授 (70000453)
青柳 正規 東京大学, 文学部. 文化交流研究施設, 教授 (40011340)
戸田 禎佑 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (50012985)
高階 秀爾 東京大学, 文学部. 美術史, 教授 (30011331)
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キーワード | 狩野派 / アカデミズム / 狩野元信 / 狩野光信 / 園城寺勧学院 / 高台寺 / 法然院 / 障壁画 |
研究概要 |
1 作品の調査・撮影 (1)狩野光信周辺の制作による障壁画の調査・撮影 (1)平成元年9月、園城寺勧学院障壁画。当初の状態からの改変の状況、工房制作の実態等が明らかになった。 (2)引き続いて高台寺の障壁画及び蒔絵の調査・撮影。開山堂の天井画・壁画等、従来見過ごされてきた重要な作品の撮影に成功した。 (3)平成2年1月、法然院障壁画。各部分の筆者の特定がある程度可能になった。 以上、従来部分的にしか紹介されることのなかった障壁画を全面的に調査し、4×5のフィルムにより撮影できたことは、狩野派を中心とした当時の障壁画の制作状況に関して新たな知見を加えるとともに、今後の研究のための重要な資料を提供する意味で成果あるものとなった。 (2)狩野派誕生の基礎となった室町水墨画及び狩野元信を中心とする初期狩野派の作品の調査・撮影 (1)平成2年、遠山記念館 (2)平成2年11月、栃木県立博物館所蔵の重要な作品の調査・撮影を実施。 (3)その他 遠山記念館においては、未紹介の土佐派の扇面画帖他、重要な作例を見いだし、撮影した。 2 資料の収集・整理 (1)(1)東京国立博物館の写真原板による狩野派模本の写真資料(焼付写真)・(2)東京国立文化財研究の原板による可能元信関係の写真資料を購入、整理した。 (2)また、上記1による新規撮影分の写真もこれに併せて整理、資料化を進行中である。 この結果、特に、元信を中心とする初期狩野派及び狩野光信一門の制作による作品に関しては、まとまった資料(従来未紹介のものを多く含む)を得ることに成功、今後の研究に広く活用されることが予想される。 3 上記1・2による成果をもとに分析を加え、狩野派を中心とする官学派の実態を明らかにし、また他との比較をおこない、印刷物として公刊する予定である。
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