研究課題/領域番号 |
01410005
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森 博 東北大学, 教養部, 教授 (50005732)
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研究分担者 |
長谷川 公一 東北大学, 教養部, 助教授 (00164814)
大森 浩明 東北大学, 教養部, 教授 (00005795)
平野 厚生 東北大学, 教養部, 教授 (60008761)
大内 秀明 東北大学, 教養部, 教授 (80005751)
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キーワード | 地域交通網 / サンーシモン / 市民生活 / 通勤ストレス / 通勤行動 / 地下鉄 / トレ-ニング / ム-ド |
研究概要 |
地域交通網の思想史的研究班は、地域交通網の思想史的沿源をサンーシモンにもとめ、運河等の交通網の整備と産業の育成等に関する彼の思想の成立とその展開過程に関する文献学的研究を行った。 地域交通網の社会的影響の実証的研究班は、1987年6月・10月の調査にほぼ準拠した3度目の「地域交通と市民生活に関する調査」を仙台市地下鉄沿線1120世帯を対象に実施し、885世帯2055人より回答を得た(回収率79.0%)。その結果、地下鉄の利用状況は、「ほとんど毎日利用する」が前回と共通の12地点で比較して10.7%から14.2%へと増えるなど、バス乗継ぎによる地下鉄利用が沿線市民の間に定着しつつあること、ただし、バスとの乗継ぎ利用に関してはなお不満が高くさらに改善の必要があること、JRと地下鉄の乗継ぎ利用がきわめて少数であること、地下鉄の開通は乗用車による通勤者の割合を減らしておらず、交通渋滞の緩和という所期の目標に関しては成果をあげえていないことが明らかになった。また、地下鉄利用による市民生活への影響は、男性にくらベて女性、とくに子育て期を終えた40代、50代の女性に顕著だった。地域社会の変化では、居住地周辺に関して「交通が便利になった」「活気がでてきた」「商店活動が活発になってきた」とする人がいずれも12%前後前回より増えている。今後さらに、87年の調査デ-タとの比較分析をさらにすすめていく予定である。 生理学的影響研究班は、通勤にともなうストレスに注目し、通勤時の運動が、トレ-ニング同様の効果をもちうるのか、被験者に対するペ-パ-テストにより、自動車通勤者と地下鉄通勤者の通勤行動前後の「気分(ム-ド)」の変化率を比較した。その結果、地下鉄通勤の場合には、気分の改善傾向は明らかではなかったが、自動車通勤に比べて気分が悪化する程度は小さいことがわかった。
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