研究課題/領域番号 |
01410005
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大内 秀明 東北大学, 教養部, 教授 (80005751)
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研究分担者 |
長谷川 公一 東北大学, 教養部, 助教授 (00164814)
河上 税 東北大学, 教養部, 教授 (10005746)
大森 浩明 東北大学, 教養部, 教授 (00005795)
平野 厚生 東北大学, 教養部, 教授 (60008761)
森 博 甲南女子大学, 文学部, 教授 (50005732)
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キーワード | 地域交通網 / サン・シモン / 市民生活 / 通勤ストレス / 通勤行動 / 地下鉄 / 公共交通政策 |
研究概要 |
地域交通網の思想史的研究では、19世紀以降のフランス・イギリスにおける交通整備の発展が地域社会に与えた諸影響について、統計資料や文献等によって考察を行った。特に、地域交通網の整備に関する思想的沿源をサン・シモンに求め、運河等の交通網の整備が産業の育成過程に及ぼした影響など、交通問題に関する社会科学的な思想の展開を考察し、その整理を行った。 地域交通網の整備に関する実証調査班では、平成元年度に実施した仙台市営地下鉄南北線の沿線住民に対するアンケ-ト調査デ-タに基づいて、社会学・経済学・地理学・体育学それぞれの観点からデ-タ解析を行い、地下鉄開通の直前・直後(昭和62年)に実施した調査デ-タとの詳細比較を行った。 以上の分析を通じて、生活時間を中心とする住民の生活構造の変化、居住環境・生活環境に対する住民意識の変化、地域交通政策と地域発展に対する住民意識の変化、交通手段の選択と生活行動の変化、通勤手段の変化による身体的・精神的ストレスの変化の実態を解明した。また、仙台市における今後の公共交通政策展開の方向性に関する検討を行った。 特に、沿線住民の間で「毎日地下鉄を利用する」者が増える一方で、バスと地下鉄との接続・乗り継ぎ利便性に関する不満が強く残っている。さらに、自家用車利用から地下鉄への利用転換は当初期待されていたほどは見られず、地下鉄による交通混雑の緩和は所期の目標を達成し得なかったことが明らかになっている。
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