研究課題
本研究の四年間の成果は、今後数年間にわたって、国文学研究資料館文献資料部の文献資料調査と、文献の写真による収集によって具体化される予定であるが、ここではひとまず、研究の概略を述べておくこととしたい。1.初年度よりとりかかった調査対象神社台帳と四年間にわたって収集した既刊・未刊の神社関係所蔵文書目録の情報を加えて、ほぼ所期の計画通りに「神社所蔵日本文学関係資料所在調査目録」を完成させた。2.文書・典籍などの目録の存在する神社については、購入又は複写などにより、特に重要と思われるその一部を国文学研究資料館文献資料部に備え、今後の本格的な調査に役立てることができた。この種の二次資料は今後とも継続的に収集していく計画である。3.未刊の神社関係所蔵目録についても、一部を神社側の了解のもとに撮影収集することができた。これらは、より詳細な研究の後、国文学研究資料館文献資料部の『調査研究報告』誌上で報告する。4.実地調査を許可された神社に資料採訪に行き、所蔵資料の概要を把握するとともに、予備的調査記録をまとめることができた。中には、順調にことが運び、本研究実施年度内に本調査を完了したり、完了しつつある箇所もある。5.本研究を行う上で、神社庁や『神道大系』の編纂部などと積極的な交渉を持ち、情報を収集したり、協力を要請したりすることができればよかったと反省されることもあるが、今後同様な調査を繰返す必要があるので、その機会に譲ることとしたい。6.本研究を通じて、現地の研究者の協力を抑いだり、所蔵者である神社に文化財としての重要性を再認識してもらうことができ、今後の調査に多大の便益がもたらされることとなった。
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