研究概要 |
前年度の研究の実績と成果とを承けて、本年度は、(1)福祉概念の表章としてのSNA集計量の社会選択理論的基礎づけを検討する公共経済学研究グル-プと、(2)SNAの改訂とその応用分野に関する研究を追跡するSNA研究グル-プとを編成し、前者に関しては鈴村が、後者に関しては江口がそれぞれグル-プリ-ダ-として、各グル-プ毎に数回の研究会を持ち、研究分担者が隨時参加する研究体制を組織した。 (1)公共経済学研究グル-プの活動とその概略ーーこの研究グル-プが主として取り上げた問題は以下の諸点である。i)パレ-ト最適概念の再検討、ii)アロ-の不可能性定理の適用範囲、iii)社会保障における世代間分配の公正。 (2)SNA研究グル-プの活動とその概略ーーこの研究グル-プが取り上げた主要な研究テ-マは以下の諸点である。i)改訂SNA草案(1990年11月国連統計局より公表)の検討、ii)SNAにおけるマイクロデ-タ統合の問題、iii)国連国際比較プログラム(UNICP)の発展と意義。 これらの研究活動と併行して倉林はSIWWプロジェクトの研究助言者である作間逸雄と共同論文Yoshimasa Kurabayashi and Itsuo Sakuma,Some Aspects of the Aggregation Procedures in the International Comparisons of Real Product and Pricesを1990年11月新潟市で開催された“各国通貨の購買力の比較結果の利用に関するアジア太平洋セミナ-"に提出したほか、上記両名の協同による研究成果をYoshimasa Kurabayashi and Itsuo Sakuma,<Studies in International Comparisons of Real Product and Prices,>___ーKinokuniya Company Ltd.,Tokyo1990,として公刊したことも、本年度の研究実績として特記すべきである。
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