研究概要 |
(1)東京大学理学部60cmサブミリ波望遠鏡(野辺山宇宙電波観測所構内に設置)の受信器,光学系,計算機系を整備し,本格観測を開始した。同望遠鏡により,銀河系の分子雲の出す一酸化炭素のJ=2ー1回転遷移線(230GHZ)のラインを使って,サ-ベイ観測に入った。その一端として本年度は,オリオン巨大分子雲領域のマラピングを進め,OMC1分子雲の線強度をコロンビアサ-ベイのJ=1ー0線強度と比較した。その結果J=2ー1/1ー0線強度比は2〜3と1よりも有意に大きく,分子雲がクランピ-でタ-ビラントな状態にあることを示唆することがわかった。銀河中心部の広域サ-ベイ観測にも着手した。 (2)系外銀河のCOJ=1ー0,2ー1線による観測を,野辺山45cm鏡,独仏IRAM30m鏡など大型装置を用いて観測した。本年度は,エシジオン銀河NGC4637,M82の広域ハロ-についてマッピングを完了した。またNGC891,NGC4565などについても観測デ-タを取得して解析中である。 (3)サブミリ波帯超伝導素子低雑音受信器(SIS受信器)の開発に必要な基礎実験を開始した。
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