研究課題/領域番号 |
01420005
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
遠藤 康夫 東北大学, 理学部, 教授 (00013483)
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研究分担者 |
加倉井 和久 東北大学, 理学部, 助手 (00204339)
山田 和芳 東北大学, 理学部, 助手 (70133923)
鈴木 孝 東北大学, 理学部, 助教授 (30004344)
神木 正史 東北大学, 理学部, 助教授 (30004451)
小松原 武美 東北大学, 理学部, 教授 (80004331)
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キーワード | 強い電子相関 / 回転陰極型X線発生装置 / 4軸・単結晶回折 / 銅酸化物 / 結晶構造 / 相転移 / 物質設計 / 空間対称性 |
研究概要 |
初年度に導入した回転陰極型高輝度X線発生装置と単結晶用回折装置の調整を行った。この科研費で購入できなかった、マイクロバックスコンピュタ-を重点領域の科研費で充当し、また低温用クライオスタットも設計し、発注した。このために大幅に実験用のソフトウエアを書き換えて、大量のデ-タが自動測定できるようになった。X線装置の性能や高性能実験を可能にする経過については現在とりまとめの最中である。 強相関物質といわれている銅酸化物について結晶構造を精確に決めるためにX線装置を使って以下のような成果を得た。 Nd_2CuO_4について低温においてCu^<2+>のスピンが90°回転する相転移が見つかっているが、その転移究明のために結晶構造との因果関係の存在を調べた結果、特に無関係であることを発見した。しかし高温側で既に対称性が低い結晶構造をとっているという報告があるので、このことについても追試し、結局このような異常がないという新事実を確認し現在では我々の結果が認められている。従って未だスピンの回転の機構について結論は得ていない。 さらにBi_2CuO_4という新しい銅酸化物の合成に成功し、同じく単結晶を使って構造解析を行って空間群を決定した。その上、Bi_2CuO_4の磁気構造と結晶構造とを両方満足させる磁気相互作用のモデルを提案した。 今年の残りの期間で低温用クライオスタットの調整を進める予定である。
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