研究分担者 |
加倉井 和久 東京大学, 物性研究所, 助教授 (00204339)
山田 和芳 東北大学, 理学部, 助手 (70133923)
笠谷 光男 東北大学, 理学部, 助教授 (20004351)
神木 正史 東北大学, 理学部, 助教授 (30004451)
小松原 武美 東北大学, 理学部, 教授 (80004331)
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研究概要 |
引き続き高温超伝導酸化物の電子相関の強さを示す物性の評価法を実験的に決めた。最も重要な成果は「成孔」をキャリア-とするLa_<2ーx>SrxCuO4と「電子」キャリア-の(Pr,Nd)_<2ーx>Ce_xO_4を使って,両者の物性の違いと電子相関の強弱とを結びつけることが出来たことである。正孔キャリア-の軌道がd電子の外に拡がっている為、d電子間の強い相関は大きな電子移動力によって破られている。これは超伝導出現には有利に働いている。電子相関の強弱は銅スピンの磁気相関によって評価することもみつけた。つまり電子相関と磁気相関の強弱の並行性と超伝導出現とが定量的に結びつけることがある程度出来るようになって来た。電子キャリア-についても,何故超伝導出現に熱処理が必要かという謎が、長期に亘りかつ充分に制御された条件で熱処理をした場合にのみ超伝導が出現することから,電子キャリア-が比較的狭い空間に閉じ込まっているという雑桂が出来る。しかも電子キャリア-はd電子軌道に入ることも銅スピンの磁気相関の実験で判明した。これらは未だ実験的に多くのやるべき課題を残してはいるものの,今後の研究の方向づけを与えているので非常に重要と考えている。 La_2eNiO_<4+8>の単結晶を作製し,δの微妙な変化量と結晶構造の違い更に磁性、電気伝導の相関を詳しく定量的に観察した結果,δが結晶歪を支配していること,更に電気伝導,磁性もδに依存することを発見した。アクチナイド化含物のUPd_2Al_3の結晶を使って,La_<2ーx>Sr_xCuO_4で得られた知識を下に,物性と結晶構造とを結びつける実験を開始した。現在のところ両者には重要な関係があることがわかって来た階段にある。
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