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1990 年度 実績報告書

分子集合膜の分子レベル格子力学特性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01420008
研究機関京都大学

研究代表者

石黒 武彦  京都大学, 理学部, 教授 (50202982)

研究分担者 杉 道夫  電子技術総合研究所, 超分子部, 研究室長
野上 由夫  京都大学, 理学部, 助手 (10202251)
福留 秀雄  京都大学, 理学部, 教授 (90025289)
キーワード分子集合膜 / 格子力学 / ヘテロLB膜 / 超格子膜 / 回折線のシフト / 新しい秩序構造 / 超伝導トンネル接合 / フォノンスペクトロスコピ-
研究概要

良質なヘテロ型LangmuirーBlodgett(LB)多層膜の形成とその構造解析に関する研究及び超伝導トンネル接合フォノンスペクトロメ-タの開発を併行してすすめた。前年度の移動壁方式によるヘテロLB膜形成技術の開発を基に、分子鎖長の異なる各種脂肪酸単分子膜の形成実験をすすめると共にクリ-ンユニットの活用により長時間にわたる良質膜の多層形成を可能とした。こうして形成した(CH_3(CH_2)_<16>CO_2H)_2Cd及び(CH_3(CH_2)_<20>CO_2H)_2Cdから成る超格子多層膜についてX線構造解析を行ったところ、Cd層が2量体化する膜において、回折線が偶奇性に応じて逆方向にシフトする新事実を発見した。これは周期構造を持つ様に形成されたにもかかわらず完全な併進対称性を持たないものとなっていることを示しているが、単なる乱れの導入を仮定するだけでは説明できず、分子集合体特有の新しい秩序構造の形成を示すものと考えられるので、詳細な実験的検討と理論的考察をすすめている。
超伝導トンネル接合スペクトロメ-タについてはSnー絶縁体(I)ーSnサンドイッチ膜で良質のものを得るに至り、更にスペクトルの幅をひろげ、かつ熱に弱い試料上に形成することも念頭においてSnーIーAl,AlーIーAl膜を開発した。これらを使ってスペクトロスコピ-実験をすすめるためのヘリウム3用クライオスタット及びプリアンプと二相ロックインアンプを用いたスペクトロスコピ-用低レベルパルス信号検出装置の整備をすすめた。以上のほか、鎖状分子系の格子力学の理論的研究の一環としてAs_2S_3格子系における結合交替対のソリトン状励起についても研究をすすめた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 野上 由夫: "Anomalous XーRay Diffraction Line Shift in Heterogeneous LangmuirーBlodgett Multi Layer" Journal of the Physical Society of Japan.

  • [文献書誌] Y.Shimoi: "Solitonic Generation of Valence Alternation Pairs in As_2S_3" Journal of the Physical Society of Japan. 59. 2790-2803 (1990)

  • [文献書誌] K.Saito: "Davydov splitting in arachidic acidーcyanine dye complex LangmuirーBlodgett Films" Journal of Applied Physics. 68. 1968-1974 (1990)

  • [文献書誌] 石黒 武彦: "超音波スペクトロスコピ-[基礎編]第2章伝導電子と超音波" 培風館, 32 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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