研究課題/領域番号 |
01420013
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大沼 晃助 東北大学, 理学部, 教授 (50000865)
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研究分担者 |
長谷中 利昭 東北大学, 理学部, 助手 (50202429)
藤巻 宏和 東北大学, 理学部, 助教授 (90133933)
青木 謙一郎 東北大学, 理学部, 教授 (00004276)
加藤 工 東北大学, 理学部, 助手 (90214379)
大谷 栄治 東北大学, 理学部, 助教授 (60136306)
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キーワード | 超高圧実験 / 多重アンビル高圧発生装置 / 地球・惑星内部構造 / 高マグネシウム安山岩 / グラファイトーダイアモンド転移 / 鉄の相関係 / ラマン散乱 |
研究概要 |
多重アンビル型超高圧発生装置は設置が完了し、圧力25GPa(25kbar)、温度2500℃までの実験を経常的に行い得るようになり、次のような研究を開始した。 1.地殻物質の超高圧下における転移を検討するため、一例として高マグネシウム安山岩に対して16GPa、1600℃までの実験を行った。この結果、4〜10GPaにおいてはガ-ネット+単斜輝石+コ-ザイト、10〜16GPaにおいてガ-ネット+単斜輝石+ステショバイトの組み合わせを得た。 2.グラファイト-ダイアモンドの直接転移に対する添加物の影響を8.5GPaにおいて検討した。鉄を含む珪酸塩が転移温度の降下に最も効果的であるが、鉄を含まない珪酸塩は殆ど効果を与えない。H_2Oは流体の状態では効果を与えるが、珪酸塩の熔融体中に存在する状態では効果を与えないと推定できる結果を得た。 3.鉄の超高圧下における融解、相転移等を決定する手段として、多重アンビル高圧発生装置実験での電気抵抗変化を測定する方法を採用し、セルや測定装置の改良を試み、この方法を確立した。この方法を用い鉄の20GPaまでの相関係を決定し、今後の研究にたいする基礎を確立した。 4.超高圧実験に対するラマン散乱の適用を確立するため、ガ-ネット、MgSiO_3ーペロブスカイトを合成しラマン散乱を測定した。この結果ペロボスカイトにおいて新たなピ-クを発見した。 5.火星物質の想定化学組成に対する高圧実験を行い、その結果を基礎に火星の内部の層状構造のモデルを提案した。上部マントルと漸移帯の比率は地球の数倍であり、下部マントルとコアの比率は地球に比して小さい。
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