研究課題/領域番号 |
01420023
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
越後 亮三 東京工業大学, 工学部, 教授 (70037737)
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研究分担者 |
奥山 正明 山形大学, 工学部, 助手 (20241721)
小林 健一 東京工業大学, 工学部, 助手 (10242273)
吉田 英生 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50166964)
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キーワード | 地球温暖化 / CO_2排出低減 / 炭素固定化燃焼 / すす生成 / ふく射エネルギー / 火炎構造 |
研究概要 |
炭酸ガスの排出を低減する新しい燃焼法として炭素固定化燃焼を提案した。本燃焼法は、化石燃料に含まれる炭素の一部を燃焼中に固体炭素(すす、コークス)として固定し、残りの炭素および水素の燃焼熱を利用する方法である。 本燃焼法によると、炭素を固定化しない場合と同量の発熱量を得るためには燃料を増加しなければならないが、実質的なCO_2の排出量は減少することが明らかになった。さらに、炭酸ガス固化海洋投棄法と比較した場合、排ガスからの炭酸ガス分離や固化等に要する消費エネルギーや設備までを考慮すると、本燃焼法の方に優位性があることも明らかにした。 実験的には、ふく射変換体を装備した燃焼器でふく射エネルギーの循環による燃焼促進法が有効であると考えた。燃焼には、気相中ではすすを生成しないメタンを用いた。その結果、本燃焼法により最大当量比3.5程度まで過濃限界を拡張することができた。また、1.8あたりで輝炎が観察され、2.0以上ですすの析出が確かめられた。そのときの燃焼速度は数cm/sと極めて小さく燃焼現象が極めて緩慢であることが明らかになった。当量比3.0の時のガス分析の結果、炭素固定化率は20%であった。本研究では、ガスクロマトグラフと質量分析計を用いて燃焼空間内の化学種の濃度分布を測定し、本燃焼法により形成される火炎構造の検討も行った。さらに、輝炎からのふく射スペクトルを測定し、輝炎からのふく射特性を明らかにした。一方,排ガスからのすすの補集として、電気集塵法を考え、燃焼場に電界をかけたときの様子を観察し電界による積極的なすすの生成法について検討した。さらに、電界をかけたときのすす濃度の測定法としてCT法を用いる法方を確立した。
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