研究概要 |
Si用分子線エピタキシァル成長装置が使用可能になるように調整を行う。Si_<1-x>Ge_x/Siのヘテロ接合、規則超格子、不規則超格子を作製する。電子顕微鏡による観察で、所期の不規則超格子構造ができていることを確認した。これら三つの試料により、発光機能の強さを比較できるようになった。Si蒸発源には、電子ビ-ムを用いて居り、これに付随する磁界が、反射型高エネルギ-電子ビ-ム回折に擾乱を与える問題が残されている。次年度で、回折像を見る場所と蒸発用電子ビ-ム間に磁気遮蔽を施し、安定な回折像を得るための改良を行って行く。 AlAs/GaAsの不規則超格子に関して、より強い発光を得るための層数の検討を行った。GaAsの層数を2,4,6層に対して、AlAsの層数を10,20,30と5,10,15および2,4,6層の三種類を作製し、比較検討を行った。これらのうちGaAs、AlAs共に2,4,6層から成る不規則超格子が最も短い波長で、最も強く発光することが実験的に確認された。以後、この層数の不規則超格子で実験を進めて行くことにした。しかし4.2Kにおける発光波長は662.0nmで、Al_xGa_<1-x>As系での間接遷移による波長より長い。したがって、Al組成を増したAlAs/Al_<0.3>Ga_<0.7>Asによる不規則超格子を作製した。この超格子の4.2Kにおける発光波長は598.9nmの長さのものを得た。これは間接遷移における発光波長に非常に近いものである。この発光強度は同じ組成のバルク混晶、規則性超格子よりも強いが、実用的には充分でない。次年度で、選択ド-プ技術を併用して、電子、正孔ともに、同一空間で、より良く閉じ込めることにより発光強度向上を行って行く。 AlP/GaPによる不規則超格子作製を計画し、先ずGaPの有機金属気相エピタキシァル成長を毒性の少ない有機金属ガスを用いて行った。次年度でAlP、AlP/GaPの成長へと進めて行く予定である。
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