研究課題/領域番号 |
01420035
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩佐 義朗 京都大学, 工学部, 教授 (50025821)
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研究分担者 |
綾 史郎 京都大学, 工学部, 講師 (00026361)
酒井 哲郎 京都大学, 工学部, 助教授 (30026182)
井上 和也 京都大学, 工学部, 助教授 (50026126)
今本 博健 京都大学, 防災研究所, 教授 (20025943)
村本 嘉雄 京都大学, 防災研究所, 教授 (50027223)
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キーワード | 水工学 / 数値シミュレ-ション / 湖沼 / 多目的貯水池 / 河口域 / 河川 / 水質災害 |
研究概要 |
本研究は、湖沼、貯水池、沿岸海域および河川などの大規模水域における流れと水質パラメ-タを、ス-パ-・コンピュ-タを用いて精度よく予測するためのシミュレ-ション・モデルの開発と、その検証を目的としている。平成元年度に得られた成果は次のようである。 (1)湖沼における流れと物質輸送;細・粗格子を併用した三次元モデルを開発し、局所的に卓越する流れ(河川流入部の流れや琵琶湖南北湖間に生ずる交流など)を詳細かつ短時間に再現可能とした。 (2)貯水池における流れと物質輸送;貯水池の複雑な境界形状を考慮できるように、直交曲線座標系を用いた三次元モデルを開発し、従来の鉛直二元モデルでは表わしえなかった局所的な流れおよび水質パラメ-タの挙動を再現可能にした。 (3)沿岸海域における流れと物質輸送;洪水、高潮に及ぼす埋立の影響、潮汐と流入河川水の関連について、上記(1)の三次元モデルを用いて解析し、観測値との比較により検証した。さらに、水理模型実験を併用して流れの再現を行うときに問題となる模型縮尺の合理的選定について縮尺の異なる模型を用いた考察を行った。 (4)河川感潮部の流れ;水位変動が格子間隔より大きいばあいにも計算可能なモデルを開発するとともに、格子間隔を十分小さくすれば塩分濃度、流速分布の観測結果が良好に再現されることを示した。 (5)河川合流部での水質混合;一般曲線座標系を用いた平面二次元流れと水質混合のモデルを開発し、現地河川に適用することにより観測結果と計算結果を比較し、モデルの妥当性を検証した。 (6)モデル係数の合理的設定;予測精度の向上には、乱流拡散係数、渦動粘性係数の合理的設定が必要であり、これらの係数と乱れ特性量の関係を理論的に考察し、拡散実験結果との比較により検証した。
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