研究課題/領域番号 |
01420036
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
瀬尾 和大 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (30089825)
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研究分担者 |
山中 浩明 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 日本学術振興会特別研 (00212291)
佐間野 隆憲 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (60110186)
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キーワード | やや長周期地震動 / 表面波 / 群列観測 / 震源特性 / 地下深部探査 / 堆積層 / 長大構造物 |
研究概要 |
平成元年度には、本研究で研究の対象としているやや長周期成分が卓越する伊豆半島や大島周辺を震源とする地震が数多く起った。6半末から7月初旬にかけての伊豆半島東方沖の群発地震や10月14日及び1990年2月20日の伊豆大島近海の地震などである。10月14日の地震(M5.7、深さ25km)では、江ノ島で振幅が飽和してしまったが,他の観測点では振切れることなく良好な記録が得られた。また、伊豆半島東方沖の群発地震のなかで最大規模の7月9日の地震(M5.5、深さ0km)及び2月20日の地震(M6.6、深さ20km)では全ての観測点で良好な記録が得られた。これらの観測記録を比較すると、10月14日の地震では、各地点の記録ともやや長周期成分はそれほど顕著ではないのに対し、7月9日及び2月20日の地震の際には、堆積層上の観測点でやや長周期の地震動が顕著にみとめられた。特に、地震規模が同程度の7月9日と10月14日の二つの地震を比較した場合、震源の深さが大きく異なっており、震源が浅い場合にやや長周期地震動が生成されやすいことが再確認された。更に、7月9日の地震の江ノ島から東京に至る各観測点の記録を比較すると、やや長周期地震動は分散性を示しており、しかも東京へ向うにつれて群速度が遅くなると共に卓越する周期が徐々に長くなる現象が認められ、やや長周期地震動が深い地下構造に基づく表面波であることが確認できた。一方、この地域の地下深部構造については、1988年11月に横浜市大黒と舞岡において実施された発破実験の結果を、既往の発破実験の結果と併せて検討を行った。その結果、夢の島から大黒を経て江ノ島に至る測線の地下構造は磯子付近で堆積層が最も厚くなっており、従来の結果と調和的な結果が得られた。しかし、江ノ島付近の地下構造は、従来堆積層が殆ど存在しないと推定されていたが、今回の解析により江ノ島付近でも相当厚く(2km程度)堆積層が存在していることがわかった。
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