研究課題/領域番号 |
01420038
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
江原 幸雄 九州大学, 工学部, 助教授 (10002346)
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研究分担者 |
茂木 透 九州大学, 工学部, 助手 (80182161)
湯原 浩三 九州大学, 工学部, 教授 (30091333)
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キーワード | 火山発電 / 火山エネルギ- / 火山活動 / 熱抽出 / 地熱開発 / 地熱探査 |
研究概要 |
本年は研究の初年度であり、九重火山の熱構造の解明、次年度以降に行う予定の各種物理量のモニタリング及び熱抽出実験のための基礎的な実験を野外フィ-ルド及び室内で行った。地震観測に関しては本年度購入した地震記録の収録・解析システムを用い、長期間の3点連続観測を行った。また同時に本年度購入した温度連続観測システムで噴気温度の連続観測も実施した。観測された地震は九重火山直下で北西〜南東方向に配列し、従来推定されている断層の方向と一致していることが明らかになった。また、これと斜交する断層の存在が空中写真から新たに発見された。その結果、九重火山の活動的な噴気地域は断層の交会部に存在することが明らかになり、熱過程を知る上で重要な結果を得た。また、地震活動と噴気活動の同時観測の結果、地下深部の地震の発生と地表の噴気温度が関連して変化することが見出された。すなわち、地下深部の活動と浅部の活動の対応が確認され、次年度以降に本格的に行う予定のモニタリングの指針を得た。噴気地域の地電流観測のための地電流モニタリングシステムを特注購入した。本年度は長期連続観測の機器の安定化のテストを室内で行うとともにデ-タ処理ソフトを開発した。地下構造解明及び熱過程モデリングのため、本研究の対象地域から3km南で実施されたボ-リングのコア岩石の物性測定を行った。測定項目は密度・空隙率・P波速度・S波速度・帯磁率・比抵抗・比表面積・熱伝導率・比熱・熱拡散率であり、今後の研究のための基礎的デ-タを得ることができた。熱抽出法に関しては同軸2重管方式の熱交換器を試作し、実験室内で性能試験を行った。温度測定のためには本年度購入した多点温度記録装置を使用した。
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