研究課題/領域番号 |
01420038
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
江原 幸雄 九州大学, 工学部, 教授 (10002346)
|
研究分担者 |
糸井 龍一 九州大学, 工学部, 助手 (50108768)
茂木 透 九州大学, 工学部, 助手 (80182161)
|
キーワード | 火山発電 / 火山エネルギ- / 火山活動 / 熱抽出 / 地熱開発 / 地熱探査 |
研究概要 |
本年度は計画の2年目であり、九重火山において地熱活動の総合的モニタリングを実施した。モニタリング項目として、1)噴気・温泉温度連続観測(9カ所)、2)地震観測(3地点)、3)地電流観測(2地点4成分)、4)重力変動観測(7地点)を実施した。また、次年度に実施予定のボ-リング掘削に備え、地熱流体の上昇域をさらに確かめるために土壌ガス(水銀・CO_2)分布の測定を実施した。得られた主な結果を列記すると、 1.噴気・温泉温度連続観測 九重火山中心部だけでなく周辺部にも観測点を展開した。その結果、予想よりはるかに遠く離れた地点の温度が相関して変動していることがわかり、モニタリングを広域で実施する必要が明らかになったと共に動的熱構造モデル作成のための重要なデ-タを得た。 2.地震観測 8カ月間の観測を実施した。地震活動は群発的である。震源域は火山中心部の噴気地域直下と噴気地域を横切る断層沿いに発生するものの2種類が存在することが明瞭になった。 3.地電流観測 短期的な試験観測を実施した。その結果、地震活動・噴気温度の変動と関連して地電流が変化する現象(パワ-スペクトルの増加)がはじめて観測された。 4.重力変動観測 本年度に購入した重力計を使用した。これまで3回の繰り返し観測を実施した。開発前の自然状態の重力値変動幅を明らかにしつつある。今後も定期的に実施予定である。 5.土壌ガス分布測定 約50mという短い測点間隔で実施した。その結果、地熱流体上昇域として直径500m程度の領域が明確にされた。この結果は従来震源分布・比抵抗分布から推定されている結果をはっきりと確認することになった。
|