研究課題/領域番号 |
01420042
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
仲田 周次 大阪大学, 工学部, 教授 (90029075)
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研究分担者 |
安田 清和 大阪大学, 工学部, 助手 (00210253)
藤本 公三 大阪大学, 工学部, 助手 (70135664)
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キーワード | 界面プロセス / 走査形トンネル顕微鏡 / 薄膜形成 / ダイヤモンド薄膜 / CVD法 / 薄膜密着性評価方法 / スクラッチ・テスト / 界面評価 |
研究概要 |
微細複合機能構造体の製作プロセスに重要な多層薄膜の形成プロセスおよび薄膜の定量的評価方法および新機能材料創造製のための指針を確立することを目的として研究を行い、初年度に以下の結果を得ている。 1.ガラス基板上に作成された金属蒸着薄膜を対象として、その付着性評価方法としてのスクラッチ試験におけるスクラッチパタ-ンの観察・分類、および有限要素法解析により、スクラッチテストにおける薄膜の定量評価法のあり方を明らかにした。さらにガラス基板およびシリコン基板上のアルミ、銅および金のクラスタ-イオンビ-ム蒸着薄膜を対象として、その付着性のスクラッチ試験による評価を行うと共に、膜・基板界面の断面TEM法による観察を行い、付着性は、一般に加速電圧の増加と共に増加するが、銅などは特異な加速電圧依存性をもつこと、さらに金蒸着膜は多結晶構造をしており、膜・基板界面で固相反応がかなり進行しているなど、金属による界面反応状況の変化を明らかにしている。 2.CH_4+H_2を原料とする電子照射形CVD法によるシリコン基板上のダイヤモンドなど薄膜成長について検討し、ダイヤモンドの生成領域と放電パラメ-タの関連性を示すと共に、原子状水素の影響以上に放電エネルギ-による生成されるダイヤモンドの活性カ-ボン化への影響が大きいことを明らかにしている。 3.シリコン基板上でのダイヤモンドの成長過程の解明を目的として、走査型トンネル顕微鏡で得られる画像より得られる情報の解析法を検討し、薄い酸化皮膜を有する基板上にダイヤモンド成長する条件下では、成長速度は遅いがナノメ-タ程度で均一な成長過程をうるに反し、グラファイト成長の場合には、成長速度が大きく、島構造の成長過程をとるなど創製される薄膜の種類により特異な特徴を有することを明らかにしている。
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