研究課題/領域番号 |
01430003
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
川崎 昌博 北海道大学, 応用電気研究所, 教授 (70110723)
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研究分担者 |
正源 聡 北海道大学, 応用電気研究所, 教務職員 (50216157)
橋本 訓 北海道大学, 応用電気研究所, 助手 (60164787)
松見 豊 北海道大学, 応用電気研究所, 講師 (30209605)
豊島 勇 北海道大学, 触媒研究センター, 教授 (80001709)
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キーワード | X線光電子分光 / 紫外光電子分光 / VUVレ-ザ- / 時間分割光電子分光法 / 表面反応 / 光反応 / メチルラジカル / 並進エネルギ-分布 |
研究概要 |
本研究は、パルス真空紫外レ-ザ-を用いて時間分解能のを有する光電子分光法の確立を目指すものである。この実現へ向け、今年度は以下の様な研究を行なった。 1)半導体や金属表面における光分解によって生ずる化学的活性種の挙動を知るために、珪素(111面)および金表面におけるトリメチルガリウムの光分解を研究した。珪素表面に80Kで単分子層のトリメチルガリウムを吸着させ、光源としてヘリウム放電管の輝線(58.4nm)を使い、照射した。GaーCH_3及びCH_3GaーCH_3に帰属さる紫外光電子分光スペクトが得られラジカルが生じていることを確かめた。一方、これらの基板上のトリメチルガリウム単分子層に表面温度170Kでパルス紫外レ-ザ-光(266nm)を照射した場合にはメチルラジカルが生じ、これが珪素表面にはトラップされるが、金表面ではトラップされないことを、X線光電子分光法によって明らかにした。 2)表面光反応により気相に放出される活性種を検出する為の前段階として、気相における有機塩素化合物の光分解によって生じた塩素原子を色素レ-ザ-を用いたレ-ザ-誘起蛍光法・多光子イオン化法によって検出し、その並進エネルギ-分布をドップラ-分光法により測定した。 3)色素レ-ザ-からの可視光を非線形結晶により紫外光に変換し、これにもう1台の色素レ-ザ-からの可視光をキセノンガスを媒体として光混合することにより、パルスVUVレ-ザ-光を発生させ、この波長特性を真空紫外分光器によって調べた。 今後、以上で得られた技術・知見を元に、観測光源にパルス真空紫外レ-ザ-を使い、時間分割光電子分光システムを完成させる。また時間分解能の他、空間選択性をも持たせて観測する事により、表面光分解の素過程を1つづつ分離して観測することも試みる。
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