研究概要 |
1.ジメチルアルミニウムハイドライド(DMAH)と真空紫外重水素ランプの組合せで表面光反応を利用すると、シリコン基板上に低温で低抵抗のアルミ薄膜を光照射部のみに形成できた。 2.XPSによる表面吸着種の同定 (1)Si基板に室温にてDMAHを数千L露出すると微少量のA1,C信号がXPSでみられC/A1=1.7±0.5であった。Si基板表面にはA1ーC結合を含む分子種が存在すると考えられる。 (2)一方、230℃でDMAHを1200L露出してみるとA1が堆積し、炭素信号と共に酸素信号もみられ、C/A1=0.05±0.01,O/A1=0.16±0.01となった。この比はXPSの分析角度を20°→70°と変えても変化しなかった。つまり膜全体にCとOとが取込まれていることを示す。 (3)Si_3N_4基板に230℃でDMAHを20L露出した。C/A1=0.25±0.05,O/A1=0.07±0.02となって、これらの値はSi(100)上とは大きく異なっている。 3.DMAHの光CVDにおいて光照射選択的成長がSi_3N_4においてみられること、また室温においてDMAHで前処理(フラッシュ)したnーSi(100)基板のみで選択性のみられることは、光CVDの初期段階において最上基板層面の状態によって光CVD全体の選択性が決まると考えられる。本実験においてわかったことは、光照射選択性を示す条件ではCーA1結合がまだ最上層面に存在し、これが真空紫外光照射によって切断する。すると最上面には清浄なA1面があらわれ、そこに気相からDMAHが吸着して、光と熱(230℃)の両方の効果により光CVDが選択的に進む。つまり光照射部位のA1膜生長が速い。
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