研究分担者 |
正源 聡 北海道大学, 応用電気研究所, 教務職員
松見 豊 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (30209605)
SHOGEN Satoshi Hokkaido Univ., Res, Inst, of Appl. Elect., Technical Stuff
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研究概要 |
金属・半導体・絶縁体などの基板上に吸着した分子の光解離過程の動力学的研究を本研究の目的とした。光解離現象を特に表面上で調べるため、光電子分光法、レ-ザ-分光法を用い、基板上の活性種の挙動を研究した。特に本研究では表面上と孤立系との光分解初期過程の違い、電子緩和を含む表面の励起分子への影響、ラジカル反応における表面の影響について調べた。 具体的には次の成果を得た。 1.半導体や金属表面における光分解によって生ずる化学的活性種の挙動を知るために、SiO_2,Si_3N_4,Si,GaAs,アルミニウム及び金表面における有機金属化合物、ハロゲン化合物の光分解を研究した。 2.トリメチルインジウム、ガリウムを基板上に低温で飽和吸着させ、その後温度を上げ、熱による表面吸着単分子層の状態変化を角度分解型光電子分光法により観測した。170Kでも[C]/[In]比が2に近いことから基板上ですでに分解吸着していることがわかった。また紫外レ-ザ-光(193nm)を吸着したトリメチルインジウム、ガリウムに照射した結果、193nm光照射によりGa,In原子が界面に生成してくるのが確認できた。350nm光照射効果がなかったのは吸着種の光吸収により分解が起こるためである。 3.ジメチルアルミニウムハイドライド(DMAH)の光CVDにおいて光照射選択的成長がSi_3N_4においてみられること、また室温においてDMAHで前処理したnーSi(100)基板のみで選択性がみられることを見出した。これは光CVDの初期段階において最上基板層面の状態によって光CVD全体の選択性が決まるためである。
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