研究課題/領域番号 |
01430019
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
大津 隆行 大阪市立大学, 工学部, 教授 (00046864)
|
研究分担者 |
松本 章一 大阪市立大学, 工学部, 助手 (00183616)
圓藤 紀代司 大阪市立大学, 工学部, 講師 (10047409)
山田 文一郎 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (50047198)
|
キーワード | 1,2ー二置換エチレン / フマル酸ジアルキル / Nーアルキルマレイミド / 剛直ポリマ- / ラジカル重合 / 生長ラジカル / タクチシチ- / 立体効果 |
研究概要 |
新規ポリメチレンを得るため、1,2ー二置換エチレンである各種フマル酸エステルならびにマレイミド誘導体のラジカル重合について検討を行なってきた。その結果、置換基のかさ高さが増すほど重合反応性が増加し生成ポリマ-の性質も影響される傾向が認められたので、さらにかさ高い置換基ならびに長鎖アルキル基の導入を行ない、これらの効果について検討を行なった。 フマル酸ジアルキルの重合では、生長ラジカルが長寿命で高濃度で存在することに着目し、生長ラジカルのESRスペクトルより鎖長によるポリマ-ラジカルの立体障害が異なることを明らかにした。すなわち、立体障害のため生長および停止の速度定数は非常に小さいが、停止の方が立体効果で著しく抑制されるためポリマ-が得られる。かさ高いアルキル基はラジカル中心の立体障害を増加し長鎖のポリマ-を容易に生成するため、重合が早く高分子量ポリマ-が生成すると考えられる。また、フマル酸tーブチルアルキルの広い温度範囲での重合で得たポリマ-のタクチシチ-を^<13>CーNMRで求めた結果、主としてイソダイアッド(〜90%)であり置換基の立体障害の少ない生長が優先することも明らかとなった。 Nー置換マレイミドに関しては、置換基として鎖長や分岐の程度の異なるアルキル基および芳香環を導入し、それらの重合性の評価ならびに生成ポリマ-のキャラクタリゼ-ションを行なった。いずれも、ラジカル重合でポリマ-が得られるが、置換基がかさ高い場合にも有機溶媒に可溶であり溶液中では半屈曲性ポリマ-として挙動する。また、窒素気流中での熱重量分析の結果、いずれも300℃以下では重量減少は認められず、最大分解速度温度は400ー440℃と耐熱性にすぐれたポリマ-であることが確認された。しかし、ポリ(Nーtert-ブチルマレイミド)は、240ー280℃で脱イソブテンが起こるため二段階の熱分解となる。
|