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1989 年度 実績報告書

酵母細胞周期の遺伝的制御

研究課題

研究課題/領域番号 01440001
研究機関東京大学

研究代表者

宇野 功  東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (60114401)

キーワード酵母 / cAMP / イノシト-ルりん脂質 / カルシウム / 細胞周期
研究概要

酵母細胞の細胞周期の遺伝的制御機構について特に細胞内調節因子(cAMP、イノシト-ルりん脂質による制御機構について分子レベルで明らかにすることを目的としている。イノシト-ルりん脂質代謝について生化学的解析を行った結果、哺乳動物と同様の代謝経路が存在することを明らかにした。すなわちPIからPIキナ-ゼおよびPIPキナ-ゼにより遂次りん酸化されPIP_2が合成され、ホスホリパ-ゼCによってIP3とDGに分解される。IP3はCa^<2+>の動員を行い、DGはプロティンキナ-ゼCを活性化し、各種の蛋白質をりん酸化するものとを考えられる。この点は今後の研究課題である。一方細胞増殖にCAMPは必須であり、細胞内ではcAMP依存性プロティンキナ-ゼとに結合し、活性化する。活性化されたプロティンキナ-ゼは各種の蛋白質をりん酸化するものと考えられているが、その基質蛋白質が明らかにされていない。そこで本研究では生化学的手法により、検索した結果PIキナ-ゼおよびPIPキナ-ゼの活性がcAMPによって調節されていることを見出した。すなわちcAMPのレベルの低い突然変異株ではいずれの酵素活性も低くなっているが培地にcAMPを添加すると活性が約3倍上昇する。これらの酵素は膜画分に存在するが、膜画分を調製し、aAMPとATPで前処理するとこれらの酵素活性が上昇することがわかった。ところがこれらの酵素を部分的に精製した段階でaAMP依存性の活性上昇がみられず、酵素自身がりん酸化されるのではないことが示唆された。以上のようにcAMPカスケ-ドはPIP_2合成を正に制御していることが明らかとなってきた。cAMPの細胞機能の一つはこのように他のシグナル伝達系を調節することにより細胞周期を制御していることが考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hiroyuki Kato,Isao Uno,Tatsuo Ishikawa,Tadaomi Takenowa: "Activation of plus plctidylinositol kinase and phosphatidylinositol4ーphosphotikinase by cAMP in Saccharonyces Cerevisie." Jounal of Biological Chemistry. 264. 3116-3121 (1989)

  • [文献書誌] Isao Uno,Yoshikazu Ohya,Yasunori,Anraku,Tatsuo Ishikawa: "Cell cycleーDependent regulation of Calmodulin levels in Saccharonyces cerevisie." Journal of Applied Microbiology. 35. 59-63 (1989)

  • [文献書誌] Hiroshi Mitsuzawa,Isao Uno,Takehiro Oshima,Tatsuo Ishikawa: "Isolation and characterization of templratureーsensitive mtaiars in the RAS2 and CYR1 genes of Saccharonyces cerevioiue" Geneties. 123. 739-748 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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