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1991 年度 実績報告書

ショウジョウバエにおける生殖細胞形成の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 01440003
研究機関筑波大学

研究代表者

岡田 益吉  筑波大学, 生物科学系, 教授 (60015534)

研究分担者 網蔵 令子  筑波大学, 生物科学系, 助手 (00101767)
小林 悟  筑波大学, 生物科学系, 助手 (90225508)
丸尾 文昭  筑波大学, 生物科学系, 助手 (30199921)
キーワード極細胞 / 決定因子 / P因子 / ショウジョウバエ / ミトコンドリアRNA / 生殖系列 / スプライシング
研究概要

本年度より、ミトコンドリアlarge rRNAを含む極細胞質の極細胞決定・分化における働きを探るための実験を開始した。それは極細胞が予定生殖系細胞として決定されているという状態を遺伝子発現レベルで示すことである。P因子の転写物から第3イントロンをスプライスする能力は生殖細胞のみが持つことにあることは、生殖系列として「決定」されてた直後の細胞である極細胞にもすでに備わっている、という昨年度の予備実験の結果を確認した。さらに、スプライシング能を検出するためのXーgalによる染色と、抗vasa抗体による生殖系列特異的染色とを同一細胞において行うという技術の開発に成功した。この技術を使ってP因子第3イントロンのスプライシング能を持つ極細胞は生殖巣に入りPGCとなるが、この能力の無い極細胞は生殖巣に入れず、従って生殖細胞に分化出来ないことを明らかにした。またコントロ-ル実験として、第3イントロンを欠失したP因子にlacZ遺伝子をつないだ雑種遺伝子を作成し、これをトランスフォ-ムしたショウジョウバエの産んだ卵にヒ-トショックを与えXーgal染色を行ったところ、全ての細胞でβガラクトシダ-ゼ活性がみられた。すなわち、生殖巣に入らずに体腔中に留まった、vasa抗体でのみ染色される極細胞由来細胞も、決して転写、翻訳などの活性を失っているのではなく、これらの細胞はP因子第3イントロンのスプライシング能のみを欠いているのであることを確認できた。
さらに、極細胞由来の細胞をvasa抗体による染色を指標にして発生過程を通して追跡しつつ、これらの細胞のβガラクトシダ-ゼ活性を調べ、P因子第3イントロンのスプライシング能は産卵後5ー6時間にピ-クがあり、一度消失した後再び出現することが明らかになった。この消長の意味は不明であるが、恐らく生殖系列設立に必要な遺伝子産物の処理と関係するのであろう。今後、関連遺伝子のクロ-ン化に着手する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Hatanaka: "Retarded nuclear migration in Drosophila embryos with aberrant Fーactin reorganization caused by maternal effet mutations and by cytochalasin treament" Development. 111. 909-920 (1991)

  • [文献書誌] K.Hatanaka: "Mutationg affecting embryonic Fーactin reorganization also affect separation of nucler from their sisters and from the cortex in Drosophila cleavage embryos" Development, Growth d Differentiation. 33. 535-542 (1991)

  • [文献書誌] S.Kobayashi: "Double staining technique with Xーgal and antibody in Drosophila whole embryos" Biotechnic d Histochemistrg.

  • [文献書誌] T.Akiyama: "Spatial and developmental changes in the respiratory activity of mitochondria in early Drosophila embryos" Development.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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