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1989 年度 実績報告書

雑防除植物細菌病の生物的防除法開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01440008
研究機関九州大学

研究代表者

脇本 哲  九州大学, 農学部, 教授 (30038286)

研究分担者 古屋 成人  九州大学, 農学部, 助手 (10211533)
津野 和宣  九州大学, 農学部, 講師 (50207429)
松山 宣明  九州大学, 農学部, 助教授 (40108676)
キーワードイネもみ枯細菌病菌 / 非病原性 / 抗菌活性 / 変異誘発 / ニトロソグアニジン / トマト青枯病 / 生物的防除
研究概要

全国の罹病籾から分離・収集し、真空凍結乾燥法で保存しているイネもみ枯細菌病菌(Pseudomonas glumae)の各種植物病原細菌に対する抗菌活性を検定したところ、わが国で特に重要なナス科植物青枯病菌、野菜軟腐病菌、トマトかいよう病菌、イネ白葉枯病菌、カンキツかいよう病菌などに対して強い抗菌活性を示すことを発見した。また、これら47菌株のイネ品種あそみのりの幼苗と籾に対する病原性を調査した結果、17菌株が完全にまたは著しく喪失していることを発見した。しかもこれら菌株の抗菌物質産生性と病原性との間には全く関連性が認められなかった。これらの結果に基き、抗菌活性が強大で、しかも非病原性の菌株を植物細菌病の生物的防除のための素剤として利用することを計画した。保存菌株中から目的にかなう数菌株を選ぶと同時に、微生物育種の一手段として化学薬品による変異体誘発の方法を試みた。抗菌活性は強いが病原性を有するイネもみ枯細菌病菌2菌株、KII8121とKyu6234株、を供試し、これらにニトロソグアニジン(NTG)処理を施すことにより、多数の非病原性で強抗菌活性株を誘発した。これらの非病原性株を供試し、トマト青枯病を生物的に防除することを試みた。トマト菌の根部を非病原性菌液に浸漬した後、青枯病菌液に浸漬してポットに植付け、その後の発病状況を無処理のものと比較した。その結果、処理後半月間は処理による顕著な発病抑制効果が認められたが、それ以後効果の持続が認められなかった。短期間示される発病抑制効果の機作を解明する目的で、熱処理死菌、抗菌物質非産生株などを供試して効果した結果、抗菌活性が必ずしも発病抑制効果発現のための必須要因ではないことが判明した。
イネもみ枯細菌病菌以外にも有効な菌株を探索する目的で、九州各地からトマト根部を採集し、その根圏から約100菌株を分離し、凍結乾燥により保存した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Wang,Z.W.,Matsuyama,N.and S.Wakimoto: "Correlation between pigment productivity in culture medium and pathogenicity to rice seedlings in Pseudomonas glumae strains" Ann.Phytopathol.Soc.Japan.

  • [文献書誌] Furuya,N.,Tsuchiya,K.,and S.Wakimoto: "Correlation between pathogenicity to grains and seedlings of rice and ability of rotting potato slice in Pseudomonas glumae" Ann.Phytopathol.Society,Japan.

  • [文献書誌] Furuya,N.,Matsuyama,N.,and S.Wakimoto: "Suppression of the occurrence of bacterial wilt of tomato by application of Pseudomonas glumae strains" Ann.Phytopathol.Society,Japan.

  • [文献書誌] Furuya,N.and S.Wakimoto: "Mechanisms of suppression of tomato bacterial wilt by non-pathogenic strains of Pseudomonas glumae" Ann.Phytopathol.Society,Japan.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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