研究課題/領域番号 |
01440012
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 和夫 東京大学, 農学部, 教授 (80162931)
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研究分担者 |
井出 雄二 東京大学, 農学部, 講師 (90213024)
片桐 一正 東京大学, 農学部, 教授 (60211158)
斯波 義宏 東京大学, 農学部, 講師 (20011900)
佐々木 恵彦 東京大学, 農学部, 教授 (20196158)
福田 健二 東京大学, 農学部, 助手 (30208954)
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キーワード | 材線虫病 / 発病機構 / 病原性 / キャビテ-ション / 水ストレス / 光合成 |
研究概要 |
1.マツザイセンチュウ感染後の宿主細胞からの電解質の漏出現象について検討を加えるために、六連式低温恒温器を購入して、マツノザイセンチュウの大量培養を行い、目下検討中である。 2.感染後の光合成・蒸散などのマツの生理的変化と萎凋・枯死機構との関連を明らかにする目的で、光合成・蒸散測定装置を購入し、まず木部通導阻害(キャビテ-ション)現象との関連について検討した。その結果強病原性のマツノザイセンチュウS6ー1系統を接種した場合やキャビテ-ション誘発剤を処理した場合には、マツ苗はキャビテ-ションの程度に応じて、水ポテンシャル、光合成、蒸散が低下して枯死に至った。一方、弱病原性のマツノザイセンチュウC14ー5系統およびニセマツノザイセンチュウを接種した場合にはマツ苗には部分的なキャビテ-ションが認められたが、萎凋・枯死に至る変化は見られなかった。従って、マツ苗の光合成は、蒸散などの変化は、キャビテ-ションがある程度以上進行した後に、水ストレスの発現と同時に、あるいはそれ以降に生ずる現象と考えられた。このことは、材線虫接種後のマツ苗におけるプレッシャ-・ボリュ-ム(PーV)曲線の変化が、水分欠乏下での変化と同様であったこととも一致した現象であった。また、今回、キャビテ-ション誘発剤によって、材線虫病類似の病徴が発現することが明らかにされた。 3.寒冷地におけるマツの回復現象については、今後継続して調査する予定である。
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