研究課題/領域番号 |
01440016
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
丹羽 皓二 岡山大学, 農学部, 教授 (40089115)
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研究分担者 |
湯原 正高 岡山大学, 農学部, 教授 (20032980)
奥田 潔 岡山大学, 農学部, 助教授 (40177168)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | 哺乳動物 / 初期胚 / 割球融合 / 核移植 / 電気的細胞融合 / 低温保存 / 初期発生 / 体外受精 |
研究概要 |
本研究では、まず核移植に応用するために、ラット2ー細胞期胚を用いて割球融合に必要な電気的条件を検討した。その結果、電圧1.5〜2.0kV/cmの直流電流パルスを100〜200μsec付与することによって効率よく割球を融合させ得ると同時に融合胚の生存性は阻害されないことが明らかとなった。つぎに、これを核移植に応用し、低温保存されたラット1ー細胞期胚における前核の活性維持について調べた。2〜6℃の低温で1ー細胞期胚を保存すると、37℃に戻した後の分割能は72時間の保存で急激に低下したが、低温保存された胚の前核を保存前の除核新鮮胚に移植すると、前核の活性は保存の144時間に至るまで維持され、再構築胚分割率は非常に高かった。(92〜100%)。さらに、同様の核移植技術を用いて異種動物の1ー細胞期胚を用いて相互核置換を試みた。その結果、除核ラットおよびマウス胚とそれぞれマウスおよびラットから得た核体との融合率は低く(41〜45%)、異種間細胞質の融合には異なる条件が必要であることが示唆された。しかし、融合胚の培養実験から、ラット胚の2ー細胞期以降の分割阻止の因子が細胞質にある可能性があること、さらに融合胚の移植実験から、適当な条件下では胚ゲノムは異種動物細胞質内においても活性化される可能性のあることなどの新しい知見がもたされた。最後に、核移植実験に供試しうる正常な牛胚を体外受精により得るためいて検討し、第一成熟分裂中期にある未熟卵子でも精子浸入の刺激を受けて容易にその後の成熟が完遂されうること、成熟培養24時間以内の卵子を体外受精に用いることによって老化による悪影響を阻止し得ること、卵丘細胞の付着した卵子を用いれば必ずしも牛血清アルブミンあるいは牛胎児血清などの添加は必要ではないなどの新知見が得られた。本研究期間内には直接牛胚を用いた核移植実験は遂行できなかったが、上記の基礎的知見を参考にしながら今後検討を進めたい。
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