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1992 年度 実績報告書

内耳有毛細胞・聴神経シナブスの組織切片標本による研究

研究課題

研究課題/領域番号 01440021
研究機関京都大学

研究代表者

大森 治紀  京都大学, 医学部, 教授 (30126015)

キーワード有毛細胞 / 神経伝達物質 / グルタミン酸
研究概要

平成4年度は、有毛細胞が膜脱分極に応じて放出する神経伝達物質を同宅する事を主たる目的とした。グルタミン酸が、ほぼ確実に有毛細胞の放出する神経伝達物質であると考える証拠が得られた。
実験は、有毛細胞を単離し、パッチ電極を用いて膜脱分離を与える、あるいは、ケージCaを有毛細胞に充填し、紫外線照射により細胞内Caイオン濃度を上昇させ神経伝達物質の放出を起し、高い化学親和性を持つ神経細胞の培素系を用いて、放出される神経伝達物質を同定しようとするものである。検出系として用いる培養神経細胞系として、最終的にラット小脳顆粒細胞を用いた。これは、顆粒細胞にはNMDA型のグルタミン酸受害体チャネルがあり、しかも、0.3MM程度の低い濃度のグルタミン酸に応じて、電気現象を生ずるからである。こうした実験系を用いて次のような証拠を得る事ができ、有毛細胞が放出する神経伝達物質がグルタミン酸である事の強い証拠となった。(1)UV照射によって、ケージCaを充填した有毛細胞は、グルタミン酸感受性の高い神経細胞を脱分極した。(2)有毛細胞の脱分極によって、グルタミン酸感受性の高い神経細胞内Caイオン濃度が増大した。(3)有毛細胞膜脱分極に応じて、顆粒細脱に電気現象を生じた。この電流応答は、+25mVと-25mVの間で反転し、グルタミン酸による現象と一致した。こうした現象が有毛細胞の放出する神経伝達物質によるとすると、グルタミン酸濃度として、およそ0.1MMオーダーの伝達物質が放出されると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kimituki,T.: "The effct of caged calcium release on the adaptation of the transduction current in chick hair" Journal of Physiology. 458. 27-40 (1992)

  • [文献書誌] Ohmori,H.: "Ion channels for the mechano-electrical transduction and efferent synapse of the hair cell." Advances in Biophysics. 28. 1-30 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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