研究課題/領域番号 |
01440040
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
滝島 任 東北大学, 医学部, 教授 (20004765)
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研究分担者 |
山内 広平 東北大学, 医学部, 助手 (20200579)
丹野 恭夫 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (20133944)
井上 洋西 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (40133962)
無江 季次 東北大学, 医療短期大学部, 教授 (40004882)
佐々木 英忠 東北大学, 医学部附属病院, 教授 (20004731)
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キーワード | 活性酸素 / 気道過敏性亢進 / 非アドレナリン非コリン作動性神経 / 抗原誘発性気道収縮 / NPY / ヒスタミンH_3レセプタ- / 神経原性炎症 / M_2レセプタ- |
研究概要 |
実験動物(ネコ)を用いた、in vivoの気道過敏性測定実験より、次の結果を得た。(1)キサンチン、キサンチンオキシデ-スにより酵素学的に発生させたオキシゲンラジカルは一過性の気道収縮をおこす、(2)さらにアセチルコリンに対する気道反応性も亢進し、投与後30分が最も著明であった。これらのことより、気管支喘息の発症に活性酸素が関与していることが示唆された。(3)感作猫に抗原吸入させると、血漿中のヒスタミン濃度の上昇と気道収縮が認められるが、非アドレナリン非コリン作動性神経刺激はこの両者を抑制した。このことより、本神経が喘息発症の予防に有望と考えられた。又、モルモットを用いた実験からは、(1)知覚神経末端から遊離された,神経ペブタイドによる気道炎症に対して、抗アレルギ-剤であるKCー404,交感神経末端に存在するneuropepかdeY(NPY)が抑制効果をもち、その作用機序は、神経末端からの神経ペブタイド遊離抑制であった。(2)好酸球培養液の上清液を、モルモット気管に与えると、収縮性の亢進が認められた。これらのことより、気道過敏性亢進に対しKCー404,NPY,あるいは好酸球遊走阻害剤等が有望であると考えられた。ヒスタミンH_3レセプタ-に関しては(1)速走神経末端からのアセチルコリン放出抑制、(2)知覚神経末端からの神経ペブタイド放出抑制、(3)肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制等の作用があり、本レセプタ-刺激剤は、気道過敏性亢進を抑制することが示唆された。さらに、気管支喘息に関与しているメディエ-タ-と考えられるブラディカイニンは、気道の反応性を亢進させるが、そのメカニズムは、気管支動脈領域の、白管透過性亢進による気道浮腫にあることが判明した。ウイルス感染時の気道反応性亢進の機序に関しては、犬を用いた実験より、速走神経末端のM_2レセプタ-の機能不全による、アセチルコリンの過放出がその一因であることが示唆された。
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