研究分担者 |
根来 伸夫 大阪市立大学, 医学部, 助手 (80180701)
河野 雅和 大阪市立大学, 医学部, 講師 (20153489)
金山 良春 大阪市立大学, 医学部, 講師 (60106341)
TANABE Kazuyuki Osaka Engineering College, Department of Biology, Associate Professor (40047410)
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研究概要 |
(1)高血圧とプロティンキナ-ゼCとの関連について 自然発症高血圧ラット(SHR)の血小板プロティンキナ-ゼC(PKC)活性は上昇しており降圧治療により低下する。SHR大動脈のPKC活性も上昇しており降圧治療により低下し、血圧との間にr=0.84の相関をみた。このPKC活性の上昇はαーPKCーmRNAの増加によるαーPKC蛋白(74K,77K)の合成の亢進によりもたらされている。 (2)ホスホリパ-ゼCの遺伝子レベルの変異について SHR,SHRSP,WKYラットのホスホリパ-ゼC(PLC)α,β,γ_1,γ_2δの遺伝子の変異の有無についてRFLPを検討することにより行った。PLCαではSHRSPとSHR,WKY間に変異を認めた。PLCβでもSHRSPとSHR,WKY間に変異を認めたが,PLCα,では三者共に変異を認めた。しかしPLCーγ_2では3者間に変異を認めなかった。PLCーδではSHRSP,SHRとWKYに変異を認めた。以上SHRSPとSHR,WKYのPLC遺伝子あるいはその近傍には遺伝子の変異が生じている事が明らかとなった。 (3)SHR大動脈における成長因子の遺伝子発現について 高血圧に伴う動脈硬化に重要な血管平滑筋の増殖にどの成長因子の関与があるかを検討するため,SHR,WKYの大動脈における各種成長因子の遺伝子発現の差異について検討した。PDGFーA,PDGFーB TNF,ILー6,TGFーβのうちでPDGFーAがSHRの大動脈において4週,8週,15週,54週の各調迄においてWKYとの差異が最も多く出現している事が判明し、高血圧に伴う血管の増殖にPDGFーAが関与している事が示唆された。
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