研究課題/領域番号 |
01440045
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松澤 大樹 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (10006108)
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研究分担者 |
伊藤 正敏 東北大学, サイクロトロン・R. I. センター, 助教授 (00125501)
山田 健嗣 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助教授 (40134051)
石井 慶造 東北大学, サイクロトロン・R. I. センター, 助教授 (00134065)
渡辺 建彦 東北大学, 医学部, 教授 (70028356)
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キーワード | PETとMRI / 扁桃核と海馬 / 大脳辺縁系 / 痴呆の発症 / ADとMID / ブドウ糖摂取率 / 神経伝達物質 |
研究概要 |
1.痴呆発症の責任病巣を明かにすることが出来た (1)痴呆発症の責任病巣を大脳新皮質(neocortex)に求めるすべての研究は徒労に終わった。脳梗塞により大脳半球すべてが機能不全に陥っても痴呆とはならないことが明かとなった。 (2)痴呆発症の責任病巣は古い哺乳動物の脳と呼ばれる大脳辺縁系の扁桃核と海馬を主とする神経核である。これらの神経核の萎縮と破壊が進み機能不全に陥ると側頭、頭頂、後頭の各連合野が稼動を停止し、ブドウ糖摂取率の低下や脳血流量の低下を生じ、痴呆が発症する。アルツハイマ-病(AD)とか多発性梗塞性痴呆(MID)など原疾患が異なっても痴呆発症の病態像は同一と考えられた。多くの痴呆の患者(約4/5)では上記の病態に加えて病変が基底核に及び前頭前野の機能不全によるブドウ糖消費量と血流量の低下が見られた。 2.神経伝達物質の生合成の障害と脳萎縮は側頭、頭頂、後頭及び前頭連合野などの脳の広範な連合野のブドウ糖摂取率の低下によるアデノシン三燐酸の生合成の障害に伴う二次的現象である。 3.予防・治療の可能性 AD、MIDなど痴呆発症の直接の原因は扁桃核、海馬などの神経核を構成する神経細胞の酸素欠乏による細胞死によるもので、主因は虚血であると考えられるが、その予防は可能と考えられる。又、海馬は神経伝達物質の受容体の集団であるが、これらのうちの重要な神経伝達物質を加えることにより、痴呆の治療の可能性が大きくなった。
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