研究課題/領域番号 |
01440046
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
酒井 邦夫 新潟大学, 医学部, 教授 (20018378)
|
研究分担者 |
樋口 健史 新潟大学, 医学部附属病院, 助手
大久保 真樹 新潟大学, 医療技術短期大学部, 助手 (10203738)
日向 浩 新潟大学, 医学部, 助手 (00018350)
木村 元政 新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (30161582)
藤田 勝三 新潟大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90080100)
|
キーワード | ^<31>PーMRS / 悪性腫瘍 / 移植腫瘍 / 放射線治療 / 治療効果予測 |
研究概要 |
1.実験腫瘍の増殖に伴う ^<31>PーMRSの変化 実験用MR装置(静磁場強度6.3T)を用いて、マウスの大腿部皮下に移植した腫瘍の増殖に伴う ^<31>PーMRSの変化を表面コイルで測定し、次の結果が得られた。すなわち、(1)腫瘍が小さい場合は、周辺組織からの信号混入を低減するのにファラデ-・シ-ルドが有効である。(2)各種ピ-クの信号強度比及びpHiは腫瘍体積と密接に関係し、とくにPi/βーNTP,PME/βーNTP及びpHiは比較的標準偏差が小さく、統計学的に有意なパラメ-タとなる。(3)増殖に伴いエネルギ-状態及びpHiが低下し、燐脂質代謝が障害されるものと考えられる。 2.実験腫瘍の放射線照射に伴う ^<31>PーMRSの変化 腫瘍体積がほぼ一定(平均約400mm^3)の移植腫瘍に5Gy、20Gy、40Gyを局所照射し、照射後腫瘍体積に変化の少ない時点(3時間後、8時間後、1日後、2日後)で ^<31>PーMRSを測定し、次の結果を得た。すなわち、(1)20Gy以上の照射群では、照射後3〜8時間でNTPピ-クが極端に減少し、1〜2日後に回復する現象が見られる。このようなNTPピ-クの一過性変化と腫瘍増殖抑制効果との間には明らかな関連は見られない。(2)20Gy以上の照射群において、照射後1日目から2日目にかけてのpHi,Pi/βーNTP及びPME/βーNTPの変化は腫瘍増殖抑制効果と関連があると考えられる。(3)5Gy照射群と20Gy以上照射群との間には、照射後のスペクトルに著明な差がある。(4)線量が多くなるにつれて照射後のPi/PMEの継時的変化(減少傾向)が大きくなる。 今後は、上記のスペクトルの変化とDNAヒストグラムや病理組織学的変化との関連について検討し、臨症例についての解析を追加する予定である。
|