研究課題/領域番号 |
01440050
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森 昌造 東北大学, 医学部, 教授 (70004877)
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研究分担者 |
立木 蔚 東北大学, 抗酸菌研究所, 教授 (90006065)
三浦 俊治 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (50209714)
志賀 清人 東北大学, 医学部, 助手 (10187338)
標葉 隆三郎 東北大学, 医学部, 助手 (20192106)
西平 哲郎 東北大学, 医学部, 講師 (50101142)
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キーワード | 手術侵襲 / ホルモン変動 / 顆粒白血球 / 安静時エネルギ-消費量 / phosphorylase / 甲状腺ホルモン |
研究概要 |
侵襲下における蛋白・エネルギ-代謝動態について、生体防御機構を中心に研究をすすめた。胸部食道癌手術例においては、術後甲状腺ホルモンの低下がみられ、リバ-スT_3が上昇するnonーthyroidal illnessの病態が明かになったのに加えて、尿中のT_3、リバ-スT_3の排泄量の著明な増加という新たな知見が得られた。また、このT_3、リバ-スT_3の尿中排泄量の増加は、腹部手術に比して著しく、侵襲の評価に有用な指標と考えられた。一方、間接熱量測定を施行してみると、エネルギ-充足率は、3病日を機に正に転じ、呼吸商も1.0〜1.1を推移した。術式別で比較すると拡大郭清例の方が、REEが低く、呼吸条件や鎮静剤が大きく影響することが明かとなった。また、患者予備能を検討する目的で、運動負荷時の間接熱量測定を併せて行った結果、食道癌患者では、最大酸素消費能の低下及びエネルギ-基質利用機能の低下があることが判明し、運動負荷時にエネルギ-消費量を測定することによって、エネルギ-代謝予備力を判定しうることが示唆された。更に、顆粒白血球をグリコ-ゲン代謝から検討した結果、術後5〜7病日に到って、phosphorylase a型優位からb型優位の転換がおこり、anabolic stateに入ることが確認され。ホルモン全体のバランスを顆粒白血球中のグリコ-ゲン代謝酵素のリン酸化状態で判定しうることがあきらかとなった。さらに術前に比して術後は、白血球のホルモンやサイトカインに対する感受性が亢進していることが判明し、sugical stressが、単にmediatorの分泌だけでなく、体細胞の被刺激性も亢進させている可能性が示唆された。
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