研究課題/領域番号 |
01440056
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
岡田 慶夫 滋賀医科大学, 医学部, 副学長 (10106825)
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研究分担者 |
朝倉 庄志 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90222570)
藤野 昇三 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (10209075)
加藤 弘文 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (20111974)
森 渥視 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80026971)
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キーワード | 酸素添加装置 / 異種肺移植 / 固定肺 / ^1H-MRI / 信号強度 / 肺水分量 / 湿 / 乾燥重量比 |
研究概要 |
今年度は、昨年度までに完成した遊離肺機能評価システムを用いて、肺のガス交換能を可及的良好に保つ固定法、異種生体肺を酸素添加装置として応用する方法などに関して研究を行なった。また、異種肺移植開発の基礎研究として、本研究に関連して移植肺の機能評価についても検討した。とくに非侵襲的方法であるMRIによる評価に関しては、将来この方面の中心的な検査法になると思われるので、重点的に研究した。 1.固定肺のガス交換能:新鮮肺よりも固定肺の方が長期使用に耐えるのではないかとの推定のもとに、ガス交換能の検討を行なった。固定には、10%formalin、0.625%glutaraldehydeおよび4%paraformaldehyde+0.325%glutaraldehydeの3種類を用いた。これらの中で、paraformaldehydeとglutaraldehydeの混合液が、肺機能の保全には最も優れていた。これによる固定肺は新鮮肺にほぼ匹適するガス交換能を示した。 2.異種血液の灌流とガス交換能:生体肺が種を越えて人工肺として利用できるか否かについて検討した。犬摘出肺を用いて家兎血液に対するガス交換能を検討したが、十合にガス交換能が保たれることが判明した。異種肺を人工肺として用いる場合には、免疫反応に関する対応が必要と考えられるが、この点に関しては未だ検討するに至っていない。 3. ^1H-MRIによる肺の画像診断:肺に水腫性の変化が進行し水分量が増加すると、ガス交換能は急激に低下するが、この状態を非侵襲的に画像化し、判定する目的で、プロトン(^1H)MRIによる画像診断の開発を試みた。家兎摘出肺を対象として、保存時間の長さによる肺の水分量の増加を検討した。実験用NMR装置を用いて撮影された肺の画像について、信号強度、スピン一格子緩和時間およびスピン-スピン緩和時間を求めた。これらの値と肺水分量を反映する湿/乾燥重量比は並行して増強、延長することが明らかになった。
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