研究課題/領域番号 |
01440059
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
熊西 敏郎 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40018601)
|
研究分担者 |
薄井 宏 新潟大学, 脳研究所, 助手 (20192510)
阿部 聰 新潟大学, 脳研究所, 助手 (90202663)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
キーワード | 悪性リンパ腫 / 脳腫瘍 / 非ホジキンリンパ腫 / 免疫グロブリン / 遺伝子再構成 |
研究概要 |
1.免疫グロブリン遺伝子再構成:脳原発性悪性リンパ腫は免疫染色の結果などから主にB細胞性と考えられる。本研究の目的は免疫グロブリン遺伝子再構成の実体を明確にすることであった。このため、リンパ腫組織のうち対照組織(同一患者の正常組織または細胞)の揃ってる症例7例を中心にH鎖、L鎖(κ、λ)の再構成の検索を JH、C_κ、Cλ probe を用いて Southern 法にて行った。その結果、L鎖の再構成の不明確な例もあったがH鎖の再構成は全例に検出された。すなわちこの腫瘍の多くは immunogenotype の面でもB細胞性であることを確定することが出来た。またいずれの例もH鎖、L鎖の再構成が共に2回以下であり、その発生母細胞がmonoclonalと考えられた。再発腫瘍との対比も試みたが再発組織が既に強い放射線照射を受けていることが多く、本研究の方法論の感度以下であった。今後PCR法の活用など新しいアプロ-チが必要と思われた。 2.遺伝子再構成と免疫染色との対応性:免疫グロブリン遺伝子再構成と免疫染色の結果を対比したところ、再構成と免疫染色の結果が共に明白な例では両者の結果は全例で対応していた。またL鎖再構成の不明確な例や免疫染色の不明確な例でも一方の結果が明白であるので genotype 又は phenotype の推定が可能であった。しかしこのように一方の検索結果の不明確な理由は不明であり、今後の詳細な検索が必要と思われた。 3.今後の研究方針:本研究で用いた再構成遺伝子の検索方法の基本は胚細胞型と異なる制限酵素断片をそのsizeの上で同定することにある。今後この腫瘍の特性を更に詳細に知るには再構成 DNA の塩基配列自体を明らかにすることが重要と思われた。特に再構成 DNA あるいは cDNA をクロ-ン化し、腫瘍の idiotype を塩基配列の面から明らかにすることがこの研究の進展に重要と考え目下積極的に取り組んでいる。
|