研究課題/領域番号 |
01440060
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒川 高秀 東京大学, 医学部(病), 教授 (90010298)
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研究分担者 |
村島 隆太郎 東京大学, 医学部(病), 助手 (90239517)
長野 昭 東京大学, 医学部(分), 助教授 (30111537)
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キーワード | 創外固定器 / 回旋荷重 / 捻転変形 / 骨癒合 / 骨密度 / 拘縮 |
研究概要 |
基礎的研究(1)創外固定器を用いて家兎下腿骨に持続的に回旋荷重を加えることにより骨幹部に捻転変形を生じうることを示した1989年度の研究についてこの捻転変形が生物学的改変、すなわち骨組織の形成と吸収の結果であるかどうかを明らかにするため組織学的に検討した。結果:回旋荷重を加えた家兎の下腿骨では対象と比べ骨膜性及び骨内膜性の骨の減少、骨膜部標識率の低下、標識opteon数の増加が観察された。骨膜性ないし骨内膜性の層状骨とosteonal boneとでは弾性や破断限界などの力学的特性が異なるので層状骨による骨の横径増大よりもopteonal boneの増加は回旋荷重に対して生体にとつて有利な反応である可能性がある。(2)骨癒合を促進する機械的条件については骨切りした家兎の下腿骨を創外固定器で固定し、軸方向に1mm駆動させる方法をとりその回数と骨切り部の骨密度の増加を調ベた。結果:1日1回行うことで対象に比べ有意に骨密度は増加するが駆動回数に比例せず、駆動回数がふえても骨密度の増加率は漸減した。すなわち1回駆動が最も増加率が良かつた。 臨床的研究(1)延長仮骨の空間的分布様式をDual Energy X-ray Absorptiometry(DXA)で評価した。典型例では延長仮骨の中央が延長とともに骨密度が低下するが、延長停止とともに上昇し、延長部の両端・延長隣接部の骨密度を追い抜いた。また延長仮骨部が管状講造になるのは延長部の両端近くより中央部のほうが早かつた。仮骨延長の骨形成・remodeling様式は各部により異なっている。(2)下腿延長速度と足関節の拘縮についての検討では延長速度が0.5mm/日以上と0.5mm/日未満で有意差がみられた。すなわち足関節の平均背屈角度は延長速度が0.5mm/日以上のものが0.5mm/日未満のものより小さかった。これは延長モードにより筋・腿組織の形成が異なることを示している。
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