研究課題/領域番号 |
01440067
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
園田 孝夫 大阪大学, 医学部, 教授 (80028290)
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研究分担者 |
小角 幸人 大阪大学, 医学部, 助手 (30186639)
高原 史郎 大阪大学, 医学部, 助手 (70179547)
石橋 道男 大阪大学, 医学部, 講師 (40107032)
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キーワード | 拒絶反応 / 皮膚移植 / 接着分子 / complement receptor 3 / 活性化マクロファ-ジ / 溶血 |
研究概要 |
ヒトとラットに共通した拒絶反応の機序を解明するためエフェクタ-細胞である活性化マクロファ-ジ・単球,SPFC(spontaneous plaquーforming cell)に着目した。本年度の研究として(1)SPFC細胞性エフェクタ-の免疫応答がラットHー1組織適合抗原の違いを反映するかを検討しT細胞活性化との関係を明らかにする。(2)SPFCエフェクタ-の溶血に関わる細胞表面レセプタ-が白血球接着分子と関わることを更に発展させ、モノクロ-ナル抗体によりいづれの接着分子が関与しているかを明らかにする。(3)T細胞を主に抑制する免疫抑制剤を投与し、ラット皮膚移植でのSPFC産生抑制を指標に検討することを行なった。〔結果〕(1)ACI→LewisのHー1抗原の異なる強い組織不適合とF344→LewisのHー1適合の弱い組織不適合間の2つの組合せの同種皮膚移植時において、SPFC細胞エフェクタ-の産生応答は拒絶反応の発症と一致した動きを示した。サイクロスポリン、FK506を投与すると、同種移植皮膚片への浸潤細胞中のSPFC産生応答は対照群と同程度レベルまで抑制されていた。(2)SPFCエフェクタ-は同種赤血球を非特異的に溶血するが、接着分子、LFAー1、CR3、P150、95に対するモノクロ-ナル抗体を用いた阻害試験によって検討したところ、ヒトにおいてはCR3が溶血機能を持つ細胞膜表面レセプタ-であることが明らかとなった。ラットではヒトほどモノクロ-ナル抗体が存在せずエピト-プレベルでの解析は困難であったが、CR3が溶血に関わるレセプタ-として機能していた。〔結語〕非特異的溶血活性を示すSPFCエフェクタ-は、ヒトとラットに同様に存在し、細胞膜上のレセプタ-としてcomplement Receptor3(CR3)が溶血機能をもつことが見い出された。ラットとヒトは、拒絶反応機序として共通したエフェクタ-細胞と表面レセプタ-を有することが明らかとなった。
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