研究課題/領域番号 |
01440071
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新美 成二 東京大学, 医学部(医)・音声研, 教授 (00010273)
|
研究分担者 |
板井 悠二 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30010268)
堀口 利之 東京大学, 医学部・音声研, 助手 (30157078)
今泉 敏 東京大学, 医学部・音声研, 助教授 (80122018)
桐谷 滋 東京大学, 医学部・音声研, 教授 (90010032)
廣瀬 肇 東京大学, 医学部・音声研, 教授 (80010031)
|
キーワード | 口蓋帆 / 舌 / 構音運動 / 声道形態 / NMR |
研究概要 |
本年度は、計測システムの整備と、得られたデ-タの解析方法の開発を行うと共に、正常者についての検討を行った。 発話時の口蓋帆の動態は従来鼻音生成に関して研究されてきた。今回は舌のと口蓋帆の動態を超音波断層法及び研究分担者の堀口が開発したVelotraceを用いて同時観測を行い、口蓋帆の運動は舌と独立したものではないことを明らかにした。この観測によって音響学的に母音の鼻音化を認める以前から口蓋帆は下降を開始しており更にそのタイミングは舌の構音動態に依存することが明らかにされた。これらの事実は第90回日本耳鼻咽喉科学会(平成元年5月・大阪)、第34回日本音声言語医学会(平成元年11月・名古屋)において発表された。超音波断層法の弱点とされている口蓋形態の観測のために機械的な計測装置(Palatotracer)を開発し正常者についての計測を行い、従来のX線を用いた計測と同様の結果が得られた。この結果は第21回国際音声言語医学会議(平成元年8月・プラハ)において発表した。 人の発話活動は個々の構音器官の運動が時間的に統合された結果と考えることが出来る。この観点から上述したようなモ-ドの異なる観測デ-タを空間的にも時間的にも、多元的に解析しなくてはならない。今回はそのための基礎として母音構音時の声道形態をNMRを用いて観測し3次元的に再構築を行った。この一部は第34回日本音声言語医学会(平成元年11月・名古屋)において発表された。今後は動的な部分(舌,口蓋帆など)をNMR画像と合成することによって動的解析へ発展させる計画である。 発話行動の正常範囲を知る目的で外国語話者及び歌手の観測も行われそれらについても個別に発表した。
|