研究課題/領域番号 |
01440073
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
粟屋 忍 名古屋大学, 医学部, 教授 (00023755)
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研究分担者 |
都築 欣一 名古屋大学, 医学部, 助手 (70197739)
矢ヶ崎 悌司 名古屋大学, 医学部, 助手 (50191078)
矢ヶ崎 克哉 名古屋大学, 医学部, 講師 (70174480)
三宅 三平 名古屋大学, 医学部, 講師 (40115639)
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キーワード | 両眼視機能 / 立体視 / TVーR.D.ステレオテスト / チェッカ-・ボ-ド・パタン刺激 / 外斜視 / 内斜視 / VEP |
研究概要 |
両眼視機能のもっとも高等な機能である立体視は、弱視や斜視においては破られて、その正常化は極めて困難な例が多い。この異常の治療の可能性に取組むため、まず第一に、立体視の生後の正常な発達を定量的に把握することに務めた。自覚的に回答の得られない乳幼児の早期においては他覚的検査に頼らざるを得ない。そこで、TVーRandom Dot Stereo Testにより、生後2ヵ月から3歳までの乳幼児217名の立体視を検査し、141名の合格(合格率65.0%)を得た。合格した141名の乳幼児を月齢6ヵ月毎の6群に分け、立体視力の平均値をもとめ、6ヵ月未満児では1715Sec.of arc(以後″と略す)を示し、発育とともにゆっくり発達を示し、30〜36ヵ月児で567″に達するという結果を得た。このような正常発達が、病的視的環境下で破壊される場合、それをいち早く発見し、如何にして正常化させるかが大きな課題である。そのため、立体視破壊の主要原因である斜視に対して、手術的眼位矯正は完全矯正の困難さと、施行時期によって実現不可能であるため、眼位異常の存在下で、両眼の中心〓に同質刺激を与えるべく、チェッカ-・ボ-ド・パタンを、外斜視患者(恒常性外斜視34例、融像困難な間歇性外斜視36例)に与えて、立体視の改善の可能性に挑戦した。前者では14例がさらに術後に反復して8例が有効な反応が得られ、術後では34例に有効であった。このような機序を分析して、次年度は内斜視に試み、VEPとの関連を研究予定である。なお、これらの研究成果は、国際斜視学会、国際眼科学会などにおいて、近日中に報告予定である。
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