研究課題/領域番号 |
01440076
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小椋 秀亮 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (20013831)
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研究分担者 |
天野 均 昭和大学, 歯学部, 助手 (90212571)
澄川 万紀 東京医科歯科大学, 歯学部, 技官 (10216492)
大谷 啓一 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (10126211)
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キーワード | 歯槽骨 / 骨吸収 / 低Ca食 / 骨形態計測 / 破骨細胞 / 微小管 / コルヒチン |
研究概要 |
1)低Ca食飼育ラットによる実験的歯槽骨吸収モデルの形態学的変化を更に詳細に検索した。第二大臼歯部の歯槽骨水平断面におけるCMR像の所見では、歯槽骨は実験開始3日目より減少を始め、6日目では歯根周囲の海綿骨と歯槽骨外壁の骨髄側を中心に骨吸収が進行し、9日目にはさらに歯槽骨外壁の皮質骨の骨吸収が起こり、20日目には希薄化した歯槽骨外壁、固有歯槽骨、骨髄腔中の海綿骨などを僅かに残し、他の骨は著しい骨吸収を受けることが明らかにされた。しかし、隣接する歯根周囲の固有歯槽骨同士あるいは固有歯槽骨と歯槽骨外壁は、わずかに残った細い海綿骨により連結されており、歯槽骨としての機能はかろうじて維持されていることをうかがわせる所見が得られた。2)ラットを低Ca食にて1週間飼育したのち正常Ca食に切換えて、歯槽骨の吸収状態からの修復過程をCMR像で観察したところ、Ca再補給群は低Ca食群に比べて骨量は増加したが、正常Ca食群のレベルにまでは回復しない所見が得られた。また、歯槽骨の骨内膜側と海綿骨は、単純化された丸みのある特徴的な骨形態像を示した。この骨量の増加は、骨内膜層の骨吸収面が減少し、骨形成面が増加することにより起こることが明らかにされた。3)破骨細胞における細胞骨格の機能を解明するために、ラット脛骨より分離した破骨細胞を用いて、培地中に微小管阻害薬であるcolchicine(Col)10μMを加えて微小管(MT)の分布や形態の変化を検索したところ、Col添加前には放射状のnetworkを形成していた破骨細胞のMTは、Col添加後に消失し、破骨細胞は収縮し、細胞の部分部分が別々の方向に進み、やがては分離して別々の細胞体となって運動する様子が観察された。この所見から、MTは破骨細胞が一つの細胞体として運動する上で重要な働きをしていることが明らかにされた。
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