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1990 年度 実績報告書

実験的誘発口蓋裂ラット及び口蓋裂自然発生マウスにおける二次口蓋の発生に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01440080
研究機関新潟大学

研究代表者

大橋 靖  新潟大学, 歯学部, 教授 (30013874)

研究分担者 千葉 順一  新潟大学, 歯学部, 助手 (40217245)
小野 和宏  新潟大学, 歯学部, 助手 (40224266)
中野 久  新潟大学, 歯学部附属病院, 助手 (60180329)
キーワード口唇・口蓋裂 / 二次口蓋 / premaxilla / CL / Fr系マウス / 血管構築 / 鋳型法 / 走査電子顕微鏡
研究概要

平成元年度は、実験的に誘発させた口蓋裂ラットを用いて研究を進めてきたが、平成2年度は、口唇・口蓋裂自然発生マウス(CL/Fr系マウス)を用いて、血管鋳型走査電顕法により三次元的微細血管構築を観察し、破裂形態の違いによる血管構築の相違や、実験的誘発口蓋裂ラットとの血管系の相違を比較検討した。
方法:胎齢18日から出生直後までのCL/Fr系マウス(CR length:18ー22mm)に麻酔を施し、左心室に27Gの針を刺入して生理食塩水で寫血し、10%ホルマリンによる潅流固定後、Mercox resinを注入して室温で重合させ、20%KOHで軟組織を除去し、水洗、乾燥、プラチナコ-ティングを施して走査電子顕微鏡で観察した。
結果と考察:硬口蓋部では、正常群と口唇・口蓋裂群の間で基本的には差がなく、ビタミンA過剰投与により実験的に口蓋裂を誘発させた場合に見られた毛細血管の太さや網目の大きさ、分布密度の不均一といった変化は認められなかったことから、これら血管系の変化は、過剰ビタミンAの薬理作用によるものと思われた。一方、軟口蓋部においては、正常群の血管網は口唇・口蓋裂群に比べ密であり、横走する毛細血管が多数観察されたが、口唇・口蓋裂群の毛細血管は、特に後方領域において、破裂縁に沿って縦走する傾向が見られた。これは、軟口蓋に分布する筋の走行や組織量と血管分布とが密接な関係にあることを示唆するものと思われた。また口唇・口蓋裂群のpremaxillaにおいては、血管の増生を伴う浮腫性変化が認められたが、この様な変化は両側性唇顎口蓋裂群で特に著明であった。従来の報告でも、CL/Fr系マウスへの高酸素投与が口唇裂の発生率を著しく低下させること、また多くのCL/Fr系マウス胎仔に顔面血腫の認められることから、胎生期の循環障害を唇顎口蓋裂発生の一要因とするものもあり、今回のCL/Frマウスで観察された口蓋の微細血管構築の所見は興味あるものと思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Md.Nurul Amin,et al: "Vascular Pattern of the palate in normal and spontaneous cleft embryos of CL/Fr Mouse." 第15回日本口蓋裂学会総会. (1991)

  • [文献書誌] 中山 勝憲,他: "正常ならびにビタミンA誘発口蓋裂ラット胎仔の二次口蓋形成過程における細胞動態の推移" 第15回日本口蓋裂学会総会. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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