研究概要 |
本研究に関するプロジェクトを開始するに当り、初年度は必要となるDNAサンプルの収集に重点をおいた。連鎖解析に用いる近交系間の戻し交配は、7組準備した。各戻し交雑仔において、変異を認め、タイピングを終えた毛色、生化学的、及び免疫学的遺伝子座数は、それぞれ下記の通りであった。(ZI×BN)F_1×ZI:13遺伝子座、(ZI×TM)F_1×ZI:8、(SHR×BN)F_1×BN:13、(BN×TRM)F_1×TRM:12、(SHR×TRM)F_1×TRM:3、(W×ACI)F_1×ACI:3、及び(ACI×TRM)F_1×TRM:13。これらの親系統、F_1動物、及び戻し交雑仔の核DNAは、既に精製保存した。 一方、検索に用いるDNAプロ-ブとして、26種類(ラット由来:10、マウス由来:11、ヒト由来:5)を準備した。RFLDの検索有無は、11の近交系ラットと5種類の制限酵素(EcoRI,BamHI,PstI,PvuII、HinfI)の組合せでスク-リニングした。 近交系間にRFLPが認められたのは、調査した11のうち9プロ-ブであった。準備した戻し交配セットで、連鎖検索が可能であったrenin(Ren)プロ-ブの成績から、ラットレニン遺伝子は第X連鎖群にあてはめられた。一方、angiotensinogen(Ang)プロ-ブによっては、連鎖する既存の遺伝子マ-カ-は見つけられなかったが、染色体in situ交雑法によって、ラットのアンジオシノ-ゲン遺伝子座は第19染色体q腕上にあるという結果を得た。 収集済みの既存DNAプロ-ブの中で、まだRFLPの未検索のものは、順次解析を進める予定である。
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