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1991 年度 実績報告書

発生過程で淘汰される自然および放射線誘発突然変異体のテスタ-メダカによる解析

研究課題

研究課題/領域番号 01440093
研究機関東京大学

研究代表者

嶋 昭紘  東京大学, 理学部, 教授 (60011590)

研究分担者 成瀬 清  東京大学, 理学部, 助手 (50208089)
三谷 啓志  東京大学, 理学部, 講師 (70181922)
キーワードテスタ-メダカ / 特定座位突然変異 / 放射線 / 発生過程 / 淘汰 / 優性致死 / 奇形
研究概要

実験動物の大先輩であるマウスで確立されているデ-タと比較しうる下記の知見を得(Proc.Natl.Acad.Sci.,USA.,88:2545ー2549,1991)、さらに胚致死と関連するゲノムDNA損傷解析実験系をメダカで開発した。
1)自然致死変異に関しては、155,451個の受精卵を検索し、うち9,570個が孵化前後に死んだので、致死率は6.2%である。これはマウスでの5.1%とほぼ同じである。
2)383,406遺伝子座を検索し、16個の自然変異をえた。自然総突然変異率は4.2×10^<ー5>/遺伝子座となったが、比較しうる他のデ-タが存在しない。メダカでのみ得られた成果である。
3)自然生存突然変異率は5.5×10^<ー6>/遺伝子座(2/364,146)で、マウスの8.1×10^<ー6>/遺伝子座に比べて少し低いが、統計的なゆらぎの範囲がまだ大きいので、今後なおデ-タの蓄積が必要である。
4)単位放射線量(rad)当りの生存突然変異誘発率を比較すると、マウスの精原細胞、精細胞、精子で22、120、70であるが、メダカでは7.5、51、176であり、マウス対メダカの比はそれぞれ2.9、2.4、0.4となる。
5)以上のデ-タをもとに特定座位生存突然変異の倍加線量を計算すると、マウスの精原細胞、精細胞、精子で37、6.6、12rad、メダカでは98、12、3.2radとなり、マウス対メダカの比はそれぞれ0.38、0.55、3.8となった。これらの結果は、マウスの精原細胞はメダカに比べて放射線感受性が顕著に高いことを示しており、実験動物間での種差がある可能性が強く示唆された。
6)瀕死状態の個々のメダカ胚ゲノムDNAを使い、APーPCR法でDNA損傷を解析する系を確立した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Shima,A.: "Development of a possible nonmammalian test system for radiationーinduced germーcell mutagensis using a fish,the Japanese Medaka(Oryzias latipes)." Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.88. 2545-2549 (1991)

  • [文献書誌] Kubota,Y.: "Comparative study of embryonic thermoresistance of two inbred strains of the medaka(Oryzias latipes)." J.Comp.Physiol.,B.160. 621-625 (1991)

  • [文献書誌] Oda,S.: "Synthesis of heat shock proteins in the isolated fin of the Medaka,Oryzias latipes,acclimatized to various temperatures." Comp.Biochem.Physiol.98B. 587-591 (1991)

  • [文献書誌] Komura,J.: "Preferential excision repair and nonーpreferential photoreactivation of pyrimidine dimers in the cーras sequence of cultured goldfish cells." Mutation Res.254. 191-198 (1991)

  • [文献書誌] Kubota,Y.: "Anattempt to detect gammmaーrayーinduced DNA damages of mutant embryos the Medaka,Oryzias latipes." J.Radiat.Res.32. 82 (1991)

  • [文献書誌] Shima,A.: "Use of the Japanese Medaka as a bridge to connect Phenomena in vivo and mechanisms in vitro." In Vitro.27. 88A (1991)

  • [文献書誌] 嶋 昭紘: "「新老年学」" 東京大学出版会, 9 (1992)

  • [文献書誌] 嶋 昭紘,島田 敦子: "「新生化学実験講座」第14巻発生、分化および老化" 日本生化学会, 5 (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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