1.マルチショットパルスレーザー顕微鏡の試作 マルチフレームストリークカメラの採用により、マイクロ秒おきに4駒の顕微画像を撮影できるシステムを完成させた。 2.細胞電気穿孔と細胞電気変形 上記パルスレーザー顕微鏡の下で、ウニ卵およびリポソームの電気穿孔および電気変形のメカニズムを調べた。電気穿孔に伴い膜コンダクタンスが局所的に数S/cm^2という大きな値になること、電場印加時間とともに陽極側と陰極側のコンダクタンスに非対称性が生じること、など多くの知見を得た。また、電場印加により細胞やリポソームが大きく変形し、その方向が内外の塩濃度比で決まることなどを見いだした。 3.多面像顕微鏡 1つの試料に付き何種類もの顕微画像(透過光像と蛍光像、波長の異なる蛍光像、偏光蛍光像など)を同時かつ連続的に1台のビデオカメラに記録できるシステムを開発した。 4.偏光測定による分子配向測定 多画像顕微鏡による偏光蛍光測定から、ミオシンとの相互作用によるアクチン分子のアクチン線維内での向きの変化は滑走時も含めてほとんど起きないことを見いだした。さらに蛍光色素1分子の偏光蛍光イメージングにより、アクチン線維が滑走に伴い線維軸回りに回転することを定量的に示した。 5.受精現象の解析 上記多画像顕微鏡の下で、卵・精子の受精時における形態変化、カルシウム濃度およびpH変化、微絨毛伸長などの過程を同時観察できた。
|