研究概要 |
1.大型野外人工フィ-ルドの改修および小型フィ-ルド新設の工事を行った。 2.Tsukuba情動系ラットとWistar系・F344系ラット3系統のラットの情動反応をランウェイ、オ-プン・フィ-ルド、I型直線走路の3場面において検討した。結果は情動反応にはすくみ反応と逃避反応があり、THE系はすくみ反応が優位であり、F344系では逃避反応優位が優位であることが確認された。 3.第35世代以降は5世代ごとに選択交配され、他の世代には兄妹交配によって維持されているTsukuba情動系ラットと、同じく35世代を親として野外人工フィ-ルドで自然繁殖してきたTsukuba情動系ラットの情動反応性の変化を4年間にわたって追跡した。結果は実験室集団、野外集団とも親世代の情動反応性を維持していること、また選択交配停止後実験室集団に見られた両系得点の歩み寄りは交配事故によるコンタミネ-ションによるものではないことが確認された。 4.電気泳動により高低2系のTsukuba情動系ラットの生化学的遺伝標識について検討したところ2系はエステラ-ゼなどにおいて多型を示しており、3つの遺伝マ-カ-が見いだされた。 5.Tsukuba情動系ラットとその交雑からのF1,F2,B1,B2を用いてランウェイテストの移動活動量の日内・日間変動の遺伝構築について古典的遺伝分析を行った。結果は日内・日間とも時間経過につれて活動量が増大する方向への優性効果を示す遺伝構築を持つことがわかった。このことから場面に馴れるにつれ、より多く場面を探索する方向への選択が作用してきたことが示唆される。 6.ランウェイ・テストをWister系に連続10日間実施し、ランウェイにおける活動性と情動性の関係を検討した。結果は活動量は1日目から2日目にかけて増大し、以降は10日目にかけてなだらかのU字型変化を示した。また主成分分析の結果、活動性と情動性の因子が抽出された。
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